古書館(旧拍手)

□「勝手に外伝」の「独眼竜と権現」のおまけ
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「やっぱり細いな独眼竜」
 と、政宗に抱きついた家康は言った。
 政宗は額に青筋を浮かべた。
 人がさり気なく気にしていることを!
 家康にちょっとの間で、すっかり背丈と横幅(筋肉)を追い越された政宗としては、その家康に体格のことを言われるのはなんだか腹立たしい。
「そうだ独眼竜!一緒に風呂に入ろう!」「Ha?!」
 物凄く唐突かつ突然に家康は言った。
「What?!どこをどうしたら今の話と状況からそんな言葉が出て来る?!」
 とりあえず抱き付いたままの家康を引っ剥がしてから政宗は言った。
「だって、昔はよく一緒に入ったじゃないか?成実殿と儂の三人で。その後、三人で昼寝もしたじゃないか」
 家康はキョトンとして言った。
「確かに入ったし、寝たが、何で今それを言う?!」
 脈絡無さ過ぎだろう?!
「ずんだを食べたら、懐かしくなってな」
 爽やかな笑みで家康は言った。
「独眼竜とも久しく風呂に入ってないしな。嫌か?」
「嫌じゃねぇけどよ…」
 確かに家康と風呂に入るのは構わない。確かに、昔はよく一緒に入ったのだし……ただ、何故、汗もかいていないというのに昼日中から風呂?
 という政宗の胸中を知らず、家康は「なら入ろう!」と、喜色満面の笑顔で言い、ガシッと政宗を抱きかかえた。
 しかも、なぜか姫抱きで。
「ちょ?!wait!下ろせ家康―!」
「独眼竜と入るのも久しぶりだな〜」
 真っ赤になって暴れる政宗を抱きかかえ、家康は爽やかに風呂場に拉致って行った。


 

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