ブック2
□clapログ
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:うちの2-7
「なぁ」
「んー」
「前髪鬱陶しいんとちゃう?」
「……ソレ、ひかるにだけは言われたくないんだけど」
「なんでやねん」
「おれといい勝負だよ、前髪」
「お前んが長いわ」
「いや、んなことないって。どっこいどっこいだって」
「せや、コレやるわ」
「ん?ヘアクリップ?」
「兄貴ん部屋からパクってきた」
「…ちょっ!ひかるのお兄さんって美容師じゃないの!?コレ、商売道具じゃん!」
「引き出しあけたら仰山出てきたん。2、3本なくなっても解らんて」
「…ひかるー、」
「ほい、できた」
「うわ、視界がクリア!」
「どんだけ深い霧が装備されとんねんその前髪は……つか、デコ広いんやな。」
「っ!何その哀れんだ目は!やめてよ!おれはデコが広いだけだから!」
「そーしたるわ」
「ちょ!ひかるー!」
「ひかるはつけないの?」
「?」
「クリップ、」
「俺は気にならんからええねん」
「おれが気になるからつけてよ」
「…」
「え、ちょ。なんでそんな目されないといけない訳?」
「なんや、俺とお揃いがええんか?笑えんでほんま。さむっ。キモイわ」
「いいじゃん、おーそーろーいー。つか部活ん時邪魔にならないの?」
「……あーあー」
「走ったらコレじゃ落ちちゃうでしょ」
「そん時は、師範と小春さんに前髪結んでもらうねん」
「………はぁ?!マジで!!」
「なんでそないに驚くんや。ええリアクションするようになってきたわほんま。段々大阪に染まってきたな、東京人」
「え、なになになに。そこスルーする気?どんな風に結ぶの!?つか、髪結んでる光景めっちゃ見たい!!」
「っても朝練だけやで。まだセットしてへんから」
「うっそー!見たい見たい見たい!朝練行っていい?!」
「くんなボケ」
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