期間限定

□ふたつの希望が出逢う時
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お互いの事を話終えると……

「そうなんですか。そっちの世界では、隼人兄やタケ兄……守護者達にも子供が居るんですね。」

「こっちでは、ソラちゃん以外居ないんだね。なんか驚いちゃったっ!」

「ミナ姉は、日本に居るんですね。」

「ソラちゃんは日本じゃなくて、イタリアなんだね!私はママと一緒で、ソラちゃんは
パパと一緒かぁ〜」

「……ミナ姉の世界のパパとママ、話を聞く限り、万年新婚夫婦なんですね。」

「そうなんだよ〜!中学の時は、全っ然だから、ビックリしちゃって!」

「パパの片想い中ですからね。」

「ソラちゃんの世界の2人はそこまでじゃないの?」

「はい。普通の夫婦ですよ。(…っていうか、そっちのパパとママのラブラブ度……
凄過ぎるっ…聞いただけで胸やけしそうになったもん。)」

「ふーん…でも、ソラちゃんもパパ、ママ大好きっ子だよね?」

「………はい。ミナ姉ほどじゃないですけど…」少し顔を赤らめながらそう答えたソラ

「そう?」

「そうですよ。(ミナ姉は超がついてもおかしくないくらい、パパとママの事
好きそうだもん。)」

「うふふっ…あっ!ソラちゃんって、いろんな戦い方が出来るんだね!いいな〜」
ソラを羨ましそうな眼で見るミナ

「そうでもないですよ。いろんな戦い方をするって事は、いろんな修行をしなくちゃ
いけませんから。狙い撃ち、素振り、基礎体力作りなど、数え出したら霧がないですよ。」

「た…確かにっ…!私、そんなにたくさんは出来ないよ〜!」
自分がやったらどうなるか想像して、絶対無理だと思ったミナ

「でしょ?普通はミナ姉みたいに、1つか、2つの武器を使うのが一番効率が良いんです。」

「それを考えると、ソラちゃんってやっぱ凄いや!」素直にソラを褒めるミナ

「ありがとうございます。」ミナの言葉に照れながらも、お礼を言うソラ

「………ねぇ、ソラちゃん」

「?」

「今、何か……不安になってる事、あるよね?」
超直感で何かを感じとったのか、突然ミナが真剣な表情になった。

「!!」ミナに見抜かれて動揺を隠せないソラ

「やっぱり!…ソラちゃんが今抱えてる不安な事……話してみて?」

「でもっ…」渋るソラ

「話してみるだけでも、気持ちが楽になるよ?」

ミナのその言葉を聞いて、まだ会って間もないのに、なぜか話したくなったソラ

ソラは話した、自分が今抱えている不安な事を……

「そっか……ミルフィオーレと戦う為に修行をしてるパパ達の事が心配なんだね。」

「はい。ミナ姉の世界のパパ達は無事に過去へ戻れたんだから、たぶんここのパパ達も
無事に戻れると信じたいです。でも、ミナ姉の世界と私の世界は、似てるようで違います。
ここには私が存在しているから……少しは違っててもおかしくないんです。」

「そっか……でも、きっと大丈夫だよ!」そう言いながら、立ち上がって、
ソラの前まで来たミナ

「ミナ姉?」ミナを見上げるソラ

ミナは、ソラの瞳が不安で揺れているのに気付き、机の上にマグカップを置いてから、
ソラを抱きしめた。

「大丈夫だよ!だってパパは強いもん!!もちろん、隼人おじさんや武おじさんもね!」

「ミナ姉…」

「ソラちゃん、パパ達を信じてれば、きっと大丈夫だよ!」

「パパ達を信じてれば……」

「うん、そう!だって私達のパパだよ?絶対に勝てるよ!!」

「………そうですね。」

そこでミナは何を思ったのか、抱きしめていたソラを離した後、
ソラの両頬を摘み、横に引っ張る。

「みにゃねぇ、にゃにずるんでずか!(ミナ姉、何するんですか!)」

「ソラちゃん!敬語を外そうよ?」そう言いながら、両頬を摘まんでた手を離した。

「えっ…でも…私達、今日会ったばかりですし……」

「………よし、決めた!!じゃあ私達は今日から姉妹になろう!!」
少し考えた後、突然そんな事を言い出したミナ

「へっ!?(なんでそうなるの!?)」ミナの言葉に驚くソラ

「考えてみたらさ、確かに世界は違うけど、私達、親は同じじゃない?」

「そうですね。」

「だから、私達は姉妹みたいなものなんだよ!だから…ソラちゃん、私の妹になって!!」

「えっ!?……あの、ミナ姉…時間軸の事、忘れてないですよね?」

「ん?…あぁ〜そういえば時間軸だと、ソラちゃんの方が年上なんだっけ?でも私、
お姉ちゃんが良いな!!」

「良いなって……(もしも、年上の私に会ったらどうする気なんだろ?)」

「ねっ!?姉妹になろ!!」眼をキラキラさせて、ソラの答えを期待するミナ

「そんな簡単に決めちゃって良いんですか?」

「いいじゃん!自分達がそれで良いならさ!」

(ミナ姉、考えるより、行動派みたいだね……)

「ねぇ〜、良いでしょ〜?ソラちゃ〜ん」

「………ハァ〜…解りましたよ。」

「わーい!妹出来ちゃった!!ありがとう!ソラちゃんっ!」

「ソラ」

「ん?」

「お姉ちゃんなら、妹の事、ちゃん付けなんてしないと思うんだけど?」

「!…そうだねっ!じゃあ…ソラ!」

「何?ミナ姉」

「何でもない!呼んでみただけだよ。敬語を使うソラちゃんも可愛いけど、
こっちも可愛い〜っっ!」
そう言いながら、ソラをまた抱きしめたミナ

「ミナ姉、何かあるたびに抱き着く癖でもあるの?」

「ううん、ないよ?でも、ソラちゃん、可愛いんだもんっ!!」

「そ、そんな事ないよ!」少しだけ顔を赤らめながら否定するソラ

「ええ〜?絶対可愛いよ〜!良く言われない?」

「さ、さぁ?どうだろう…?あっ…」
ソラは超直感で感じた、ミナがそろそろ元の世界に戻れる事を…

「あっ……」ミナもソラと同じように超直感で感じたようだ。

ミナは名残惜しそうにしながらも、抱きしめていたソラを離して、立ち上がった。

「残念、時間切れみたいだね…」本当に残念そうな顔でそう言ったミナ

「そうだね…」ソラも残念そうにしていた。

お互い顔を見合わせた。

「…世界が違っても、ソラは私の妹で居てくれる?」

「そっちこそ。世界が違っても、私のお姉ちゃんで居てくれる?」

少しの沈黙の後……

「「もちろんだよ!」」息のあった声でお互いに答えを出した2人

「向こうのパパ達には、この世界の事は話しちゃダメだよ?少なくとも、
今居る10年前のパパ達には…」

「……うん、そうだね。今のパパ達には話せないね。未来の…25年後のパパ達になら、話してもいいかな?ソラちゃんの事…」

「いいよ。でも…私が話した、2年前の事は話さないでね?」

「うん!わかった!!絶対誰にも言わないよ!!」

「じゃあ……またね。ミナ姉」満面の笑顔でミナを見送るソラ

「うん!またね!!…ソラ、頑張ってっ!!」
満面の笑顔でソラに声援を送ったミナ

「ボフンッ」という音と同時に、元の世界へ帰って行ったミナ

「………ミナ姉、ありがとう。いつか、また会えるよ。だからその時は……」


ーーミナの世界ーー

ボフンッ…

「あっ!ミナ!!」

「ツナ君、ただいま!!」

「おかえり!!良かった〜…バズーカに当たったのに、10年後のミナが現れないから
心配してたんだよ!?」

「ごめんね〜?(現われなくて当たり前だよ。だって、入れ替わってないもんっ!)」
ツナに謝りながら、心の中でそう呟いたミナ

「んで?あっちで誰かに会ったか?」リボーンがミナに聞く。

「会ったよ。それより、なんでまだ道端なの??」

「ん?どういう意味だ?」きょとんとする山本

「あっちに飛ばされてから、時間経ってるんだけど……たぶん約2時間くらいかな〜?」

「そ、そんなにっ!?」驚くツナ

「てめーが消えてから、約10分しか経ってねぇぜ?」
獄寺が経過した時間をミナに教える。

「えっ!?たった10分なの!?」

「ああ、そうだぜ?」

「そっか〜」

「ミナ、誰に会ったの?」ツナは誰と会った気になって聞いた。

ミナは口の前に人指し指を立てると、悪戯っ子のように笑いながら答えた。

「ヒ・ミ・ツっ!!」

「えー、教えてくれないの?」

ツナはミナの様子に不満を隠せない。
なぜなら、彼女が物凄く嬉しそうに笑っていたから。
誰にあったか分からないが、相当いい事があったに違いない。

「うん!ごめんね?でも、言わないって約束しちゃったからっ!!」

彼女のきっぱりとした、しかし楽しそうな顔を見て、ツナもそれ以上は聞かない事にした。

「そっか。それなら仕方ないね。」
そう言って、また歩き出す。

(ソラ……また会えるよね?私、また会えるのを楽しみにしてるから!)
空を見上げて、心の中でそう呟いたミナ


お互い、また会える事を信じて、今は自分の目の前で起きている事を
また頑張ろうと思う2人だった。




≪完≫
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