期間限定

□ふたつの希望が出逢う時
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これは、本来なら、出会う事の出来ないはずの2人が、偶然の事故で出会った、
不思議な出来事である。


ーー地下14階ーーソラの私室ーー

メローネ基地へ突入する2日前……
今日は午前中だけ修行をし、午後からは上層部から新たに送られてきた書類の山を
片付けていた。

「いつもの事だけど、相変わらず多い……」
そう言いながらも、涼しい顔で次々と書類を片付けていくソラ

その時、「ボフンッ」という音が聞こえ、ソラは動かしていた手を止めて、
後ろを振り返った。

ソラの目の前には、ツナ達と同じ中学生と思われる栗色の長い髪の少女が
床に座り込んでいた。

(…誰だろう?……なんか、パパに似てる?)

驚きながらも、現われた人物を見てそう思ったソラ

「あれ?ここどこ?」

現われた少女は、周りを見回しながら、立ち上がった

そこで自分の目の前に小さな女の子が椅子に座ったまま、こちらを見ているのに気付いた。

「………誰?」

「それはこっちの台詞ですよ。あなたが着ているその服……並盛中の制服ですよね?」

少し警戒心を持ちながらも、目の前に突然現れた人に聞く。

「うん、そうだよ!いきなりで悪いんだけどさ、ここどこ?10年後の世界なのかな?」

少女は、状況を把握するため、自分の目の前に居るソラに尋ねた。

「………10年バズーカの事を知ってるんですか?」

少女が言った言葉を聞いて内心驚くソラ

「うん!知ってるよ!!」少女は笑顔でそう答えた。

(……嘘はついてないみたいだけど……この人の事、パパやママから聞いた事もないし、
昔の写真の中にも映ってなかった……どういう事?)

ソラは目の前に現れた人物について、あれこれ考えていた。

(この子、誰だろう?なんとなく、他人な気がしないんだけど……)

少女も黙ったまま、ソラを見つめていた。

少しの間、お互い喋らなかった。

「ん?」ソラはそこで何かに気付いた。

「何?」首を傾げた少女

「5分……経ってますよね?」

「えっ…あっ!?」ソラに言われて気付く。

「故障……でしょうか?」

「……たぶんそうだと思う。」
そう言いながら、ここに来る前の事を思い出していた。


ーー回想ーー

「ハァ〜…今日の授業もやっと終わったよ…」げんなりした表情をするツナ

「今日もお疲れ様です!10代目!」ツナに労いの言葉を掛ける獄寺

「ハハっ…ツナ、疲れてんのなっ」爽やかに笑う山本

「ツナ君、ため息つくと、幸せ逃げるよ?」

「ミナ、縁起でもない事言わないでよ……ほんとに幸せが逃げそうだよ。」

「ええ〜」

ミナと呼ばれた少女は不満顔になる。

その子はツナに良く似た顔で、京子と同じ栗色の髪をしていた。

「シャキッとしやがれっ!ダメツナ」

山本の肩の上からツナに言うリボーン

「リボーンの言う通りだよ!ツナ君」

「確かにそう「ツナーー!!」」

ツナの言葉を遮って、ツナを呼ぶ声が聞こえて来た。

ツナ達はその聞こえた方に視線を向けると、ランボがこちらに走って来ていた。

「ランボ!!」

「アホ牛、何しに来やがった!?」

「よっ!ランボじゃねぇか。」

「ランボ君、どうしたの?」

「アホ牛、おめー、何しに来た?」

「あっ!リボーン発見!!死ねー!!」

そう言いながら、頭の中から手榴弾を取り出して、
リボーンに向けて投げたランボ

だが、リボーンはラケットに姿を変えたレオンで、手榴弾をランボの方へ打ち返した。

「ぐびゃっ!?」手榴弾が直撃したランボ

「ランボ!!リボーン、お前ちょっとやり過ぎだぞ!?」

「心配すんな。アホ牛は無事だぞ。」そう言いながら、ランボが居る方を指差したリボーン

「が・ま・んっ…」手榴弾を受けたはずのランボが無事だった。

実はさっき、リボーンが上手く直撃ではなく、そのすぐ前の方に打ち落としたので、
ランボに直撃はしていなかったのである。

「よ…良かった〜…」無事なランボを見て安心したツナ

その時、泣くのを我慢出来なくなったランボが、泣きながら、
また何かを頭の中から取り出していた。

ランボが新たに取り出したのは、10年バズーカだった。

「リボーンのたれ眉ー!!」
そう言いってから、ランボが10年バズーカに入ろうとしたが……

その言葉を聞いて、怒ったリボーンがランボを蹴飛ばした。

その際、ランボが持っていた10年バズーカが手から離れ、宙に放り投げられた。

ツナ達がその放り投げられた10年バズーカが落ちてくる場所を見てみると、
そこにはミナが居た。

「あっ!ミナ、避けてっ!!」ツナがミナにそう声を掛けた。

ミナは避ける事が出来ず、そのまま10年バズーカに当たってしまった。

ーー回想終了ーー


「…っという訳で、宙に放り投げられた10年バズーカを避ける事が出来ずに
飛ばされてきちゃったんだ。」

(どういう事?パパ達は今、ここに居るから、バズーカに当たってくるなんて、
あり得ないんだけどっ…)
少女の話を聞いて、混乱するソラ

「ねぇ、ねぇ、とりあえず自己紹介しない?」

「あっ…そうですね。」

「じゃあ私からね?はじめまして!私、笹田ミナですっ!」
満面の笑顔でソラに言う。

「違いますよね?」

「え゛っ!?」

「それ、あなたの本当の名前じゃないですよね?何か訳ありみたいですけど。」

(なんで解ったのーー!?この子いったいっ!?)動揺しまくるミナ

(あっ、動揺してる……超直感が働いて、思わず言っちゃったんだけど……)

「う〜ん……何で解ったの?」

「超直感って言えば解ります?」

ソラはこの人には言っても大丈夫だと直感したのか、疑問に答えた。

「えっ!?超直感!?(それって、私と同じ、ボンゴレの血を引いてるって事!?)」
驚いて、目の前のソラを見るミナ

「知ってるんですね?」

「うん…っていうか…私も持ってる、超直感。」

「へっ!?」思ってなかった答えが返ってきて今度はこっちが驚いた。

「う〜ん…ねぇ、ここのツナ君っていくつ?」

「えっ?確か……今年は24歳になる年ですよ。」

「24歳!?(じゃあ、ここはパパ達の時代から10年後なの!?自分の10年後じゃなくて!?)」

「?…どうしました?」

「はっ…ねぇ、ここ…イタリアだったりする?」
場所をまだ聞いていなかった事を思い出したミナ

「いいえ。ここは並盛の地下です。」

「地下?じゃあここ、ボンゴレ地下アジト?」

「……なんで知ってるんです?10年前から来たはずなのに…」

「あっ!?(しまったーー!?)」思わず、口が滑ってしまったミナ

(どうして知ってるんだろ?それに…やっぱり笹田ミナなんて名前……聞いた事がない。
でも…私と同じ超直感を持ってる。どうなってるの?)

表情には出さないが、内心で混乱しまくるソラ

「………あのね、今は訳あってツナ君達が中学生の時代に居るけど…私はその時代から、25年後の未来から飛ばされて来たの。」
ミナは少し考えた後、決心したのか、自分の事を明かし始めた。

「25年後?…ってことは……ここからだと、15年後からですか?」

「うん、そう!そして、私の本当の名前は沢田美奈子!!」

「えっ!?」

「?…どうしたの?そんなに驚く事??」きょとんとするミナ

「私も…私も沢田です。」

「へっ!?」

「私の名前は沢田ソラっていいます。」

「え、ええーーっ!?」

大声で叫んだミナ



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