期間限定

□ふたつの希望が出逢う時
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「耳が…痛いです……」

「ホントに沢田なの!?」

「ホントですよ。」

「で、でもっ…沢田ソラって名前……聞いた事ないよ!?」

「(聞いたことがない?……!……もしかしてっ…)あの、すみませんが、父親と母親の
名前を教えて頂けませんか?」

ソラは何かに気付いたようだが、その前に確信を得るために、ミナに質問し始めた。

「?…父親は沢田綱吉で、母親は沢田京子だよ。」
何でそんな事聞かれたか解っていないが、ソラの質問に素直に答えるミナ

「(私と同じ!?)じゃあ、キョウダイは居ますか?」

「居ないよ。私、1人っ子。」

ソラは確信してしまった。この目の前の人物がどういう存在なのかを…

「あの、美奈子さん」

「ミナでいいよ。」

「じゃあ、ミナさん…パラレルワールドをご存じですか?」

「パラレルワールド?うん、知ってるよ。」

「じゃあその説明は要らないですね。落ち着いて聞いて下さいね?ここはたぶん、
ミナさんの世界の10年後じゃないと思います。」

「えっ…!?」固まるミナ

「パラレルワールドだと、辻褄が合うんですよ。…私の両親もミナさんと同じなんです。」

「えっ!?そうなの!?」

「はい。私も、沢田綱吉と沢田京子の娘なんです。」

「えぇーーっ!?嘘ーーっ!?(この子もパパとママの娘なのーっ!?)」

「そして、ミナさんにはキョウダイが居ない……っという事は、ミナさんの世界には、
私が存在していないって事になるんですよ。」

「なるほど……」ソラの説明に納得してしまったミナ

「だから、ここはミナさんにとってはパラレルワールドだと思うんです。」

「そうなんだ…(…っていうか、この子賢い!?)」

自分より幼いのに、とても賢い事に驚くミナだった。

「あの、大丈夫ですか?」

「あ、うん…大丈夫っ(何やってんの、私!小さい子に心配されるなんてっ…
しっかりしろっ、ミナ!)」

「じゃあ、お互いの疑問が解けた所で、改めて自己紹介しませんか?」

そう言いながら、椅子から降りたソラ

「あっ…それもそうだね!じゃあ…はじめまして!私、沢田美奈子ですっ!よろしくね?」
満面の笑顔でそう言い、ソラに視線を合わせるようにしゃがんでから、右手を差し出した。

「はじめまして、沢田ソラです。こちらこそ、よろしくお願いします。」
そう言って、ぺこりと頭を下げてから、ミナの手を遠慮がちに掴んだ。

しっかりと握手をした2人

ソラは手を離そうと手を緩めるが、ミナは笑顔を浮かべたまま、手を掴んだままでいた。

「……あの…」手を離して貰おうと思って、ミナに声を掛けたソラ

「ダメだ、我慢出来ないっ!」
そう言って、ソラを自分の方へ引き寄せて抱きしめた。

「かーわーいーいーっ!!こんなにちっちゃいのに、すっごいしっかりしてて
えーらーいぃー!!あぁっもうっっ可愛いぃっ!!」

訝しむソラに飛び掛かるように抱きつくと、ミナはムツゴロウさんもドン引く勢いで
ソラを揉みくちゃにしていた。

ソラは暴れるでもなく、引き離すでもなく、ただ大人しく、ミナの好きなようにさせていた。

「私、一人っ子だから、妹とか憧れだったの!!お姉ちゃんって呼んで!!」

ミナのキラキラした眼にソラは照れながらも、ミナの要望に応える。

「えっと…ミナお姉ちゃん?……(なんかしっくりこない。)…ミナ姉でもいいですか?」

「きゃあ〜!もちろんだよー!ソラちゃーーんっ!!」

お姉ちゃんと呼ばれて、よっぽど嬉しかったのか、さらにソラを強く抱きしめるミナ

「あ、あのっ…時間軸的には私がお姉ちゃんだと思うのですが……」

「え!じゃあソラお姉ちゃん?それは、それとして嬉しいけど。」

「あの、そろそろ離してもらえませんか?」

「あ!ごめん!つい…大丈夫?」そう言いながら、ソラを離したミナ

「はい、大丈夫です。」
何でもないように、毅然と答えるソラ

だが、ポニーテールは崩れ、苦しかったのか、頬が少々赤かった。

「くぅ〜っ!なんて健気なのっ!」

「アハハっ……何か飲み物、用意しますね?しばらく戻らない気がしますし。」

「あっ、私もしばらく戻らない気がした。」

「お互いの超直感がそう伝えてるなら、間違いないですね。」
そう言ってから、飲み物を用意し始めた。

少しすると、キャラメルミルクの入ったマグカップを2つ持ってきたソラ

「はい、どうぞ。」ミナにマグカップを差し出す。

「これ、キャラメルミルク?」ソラからマグカップを受け取るミナ

「そうですよ。嫌いでした?」

「ううん、大丈夫。ありがとう!!」

「…どうですか?」

「………うん!美味しいっ!!」一口飲んでからそう言ったミナ

「お口に合って良かったです。」
「これ、ソラちゃんの手作り?」

「そうですよ。随分前にママに教えて貰って作れるようになったんです。」

「そうなの?あっ!もしかして…これ、ソラちゃんの好きな飲み物?」

「はい!」満面の笑顔で即答するソラ

「そっか!あっ、ここ、座っていい?」ベッドを指差しながら聞くミナ

「構いませんよ。余分の椅子がないですし。」

「じゃあ座るね。」そう言ってから、ベッドの上に座ったミナ

ソラは自分がさっきまで座っていた椅子の所まで戻って座った。

「戻るまで、お互いの世界の話をしません?」

「いいね!」

「その前に聞いて良いですか?」

「何?」

「そっちの10年前のパパ達、リング争奪戦はもう終わった後?」

「うん、終わってるよ。あっ、リボーンから聞いたんだけど、ツナ君達、
10年後の未来の世界に行って戦ったんだって!!」

「えっ……」ミナの言葉に固まるソラ

「?…どうしたの?ソラちゃん」


「もしかして……ミルフィオーレと?」

「そうだよ…って、えっ!?なんで解ったの!?あっ!もしかしてっ……」

「そのもしかしてですよ。今、この時代には10年前のパパ達が来てます。」

「えぇーー!?パラレルワールドなのに、こっちでも同じ事が起きてるのーーっ!?」

「みたいですね。…という事は、そっちのパパ達は、ミルフィオーレとの戦いに勝って、無事に過去へ戻った後なんですね?」

「うん、そうみたいだよ。」

「そうですか…(そっか、ちゃんと過去に戻ってるんだ。なら、ここのパパ達も…
きっと過去へ戻れるはず。)」

「あの、ソラちゃん?」

「ミナ姉、この先のミルフィオーレとの戦いの話は一切しないで下さい。
ここはまだ終わってませんから。」

「わ…わかった。(口を滑らせないように気をつけないとっ…)」

「それじゃ、それ以外の事を話しましょう。たぶんそれ以外なら、
何も影響はないはずですから。」

「オッケー!」

ミナが元の世界の10年前に戻れるまでの間、2人はお互いの世界の事を話していた。

ソラは、ミルフィオーレとの戦いが今どこまで進んでるかを始めに言ってから、
この時代のツナ達と過ごしてた時の事と、自分の事をミナに話した。

ミナは、元の世界…25年後の世界に居る、両親や守護者、そしてミナの大切な仲間と
過ごしてた時の事、ツナ達が中学生の時代に居る理由、そして自分の事をソラに話した。


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