期間限定

□願い事を教えて
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それはドン・ボンゴレの愛娘、沢田美奈子が25年もの昔に行き、当時まだ中学生だった父親と共に戦い、その大きな事件を乗り越えて、無事自分の時代に戻って来てしばらくたった頃の事だった。



「ねぇねぇ、せんせぇ。」

「あぁ?」

ミナの声にリボーンが目深にかぶっていたボルサリーノを上げた。

「私、結構頑張ったと思うの。」

「まぁ、そうだな。」

「でしょ?でしょ!
だからさぁ…」

ミナの猫撫で声に、リボーンの眉がつり上がった。

「…だからって、こっちに戻って来た最初の定期テストでオール赤点取って良いわけがねぇだろうがっ!このアホミナがぁぁっ!!」

彼にしては珍しく、荒げた声が響き渡った。

「ひぃぃぃんっ、ごめんなさ〜い!!」

ミナは頭を抱えて半泣きになった。



場所はボンゴレの地下アジトにあるミナの部屋。

ミナが過去から戻ってからと言うもの、それを知った友人知人、同盟マフィアや某暗殺部隊など、ひっきりなしにミナに会いに来るので連日連夜お祭り騒ぎだった。


おかげでミナは先週あった定期テストで散々な結果を残してしまった。


教え子のそんな体たらくを、この鬼家庭教師が許すはずがなく。


ミナが恐る恐る出した答案用紙を見たリボーンは即座に“沢田美奈子面会謝絶令”を出し、宥める京子(母親はミナの成績について、とやかく言わなかった)を説き伏せ、美奈子を地下アジトの一室に拉致監禁。

再テストまでみっちりねっちょり勉強する事になった。


「うー。せっかく無事に戻って来たのにぃ…」

ミナは家庭教師の横暴にぶーたれていた。

「てめぇ、これ以上成績下げたら二度と、イタリアには連れて行かないからな。」

家庭教師の目が剣呑に光る。
彼は本気だ。

「ひぃぃん。
が、頑張らさせて頂きますっ!!」

ミナは名誉を挽回すべく、シャーペンを握り直した。




ミナが悲鳴を上げている頃、彼女の幼馴染二人も地下アジトにやって来ていた。

「バカじゃねぇの?
あの阿保のせいで、この三連休の予定がパアだ。」

秋人が毒づく。

「まぁ、そう言うなって!
リボーンのテストに合格出来れば一日は遊べるんだろ?」

崇が秋人の肩を叩く。

のんびりした崇の様子に秋人が牙をむいた。

「コロネロの遊園地に行くつもりだったんだよ!
一日だけじゃ、行って帰って来て終わりだっ。」

「あー。ミナの奴、久しぶりにコロネロんトコ行きたいって言ってたもんな……」

崇が遠い目になった。

「ったく、あのアホ。リボーンに、こってり絞られりゃ良いんだ。」

「まぁまぁ、今回ミナの奴は大変だったんだし。
そだ、確かあいつが好きなナミモリーヌのシュークリームでも買っててやろうぜ?
んで、不満は直接ぶちまけろ。」

崇も笑ってはいるが、三連休が潰れたことを許した訳ではないらしい。

「・・・・・それなら、昨日エクレア作って、さっき厨房の冷蔵庫に入れてある。」

秋人があさっての方を見ながら、ぼそぼそと答えた。

「さっすがあっきー!未来の右腕っ!」

崇が手を叩いて褒めちぎった。

「ふざけんな!
俺はアイツの尻拭いは御免だ!!」

父親が聞いたら憤慨しそうなセリフを吐く秋人。

「なあなあ、俺の分はっ?」

「あ?抹茶味だろ?そりゃ、もちろん・・・」

「さっすが、あっきーっ!分かってんな!!」

崇が秋人の肩に腕を回した。

「気色悪りぃな!くっつくなっ!
つか、後で材料費は出せよ!!」

「分かってるって!!」


“ビーッ ビーッ!! 侵入者アリッ! 侵入者アリッ!!”


秋人と崇が騒いでいると、けたたましいアラーム音と緊迫したアナウンスが響く。

「侵入者だって?」
「場所はっ?」

“第三トレーニングルームに侵入者アリッ! 第三トレーニングルームに侵入者アリッ!!”

秋人の問いに答えるように、さらに詳しいアナウンスが流れた。

「トレーニングルーム?なんで、んなトコに?」

崇が眉をひそめる。

「第三トレーニングルームっつたらすぐその先だ。行くぞっ!」

「あぁ。」

少年二人は武器を取り出すと走りだした。



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