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□逢月夜
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ガラス戸をひいて縁側に出ると、ひんやりとした風が頬を撫でた。
雲一つない真っ暗な空にはぼんやりと、少しずつ欠けはじめた月が浮かんでいる。



月は毎日、少しずつ形を変える。


欠けて、満ちて、また欠けて。


……何度、この無限のループを繰り返しただろう。


毎晩、この縁側から見える月はその形を変えて、時の流れを伝えてくる





毎日毎日、彼と一緒に月を眺めるのが、私の日課だった。

お月見の日には、二人で作った団子を食べながら、月の中に何が見えるのかを話した。
雲や雨のせいで月が見えない日は、明日にはまた見れますよ、と残念がる私を優しげな声で慰めてくれた。


彼が隣にいた時には神秘的な光りを放つ宝石のように見えた月。

あれ程好きで、楽しみに見ていた月は、
彼がいない今、ただ時の流れを告げる残酷なモノでしかない。


彼がいない時を感じるのは、身を切られるほど辛いのに

私は毎晩、残酷で、でもとても儚く空に浮かぶ光りを見上げ、手を伸ばす。


逢月夜


…早く、貴方に逢いたい。




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戦争に出てしまった菊を一人で待つヒロイン、というイメージ。


菊の名前もヒロインの名前も一度も出なかった上凄い短くなった……

Clap Clap


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