GIRL

□AV
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ここは氷帝学園女子テニス部の部室、部長の跡部と宍戸と慈郎がいつも通りに雑談をしていた。そんな中慈郎が思いがけない事を言い出す、

「ねぇねぇAV見た事ある?」

ニコニコしながら聞いてくる慈郎に宍戸は顔を赤くし

「はぁ?ねぇよそんなもん。」
「あとべは?」

慈郎が跡部へ問うと

「AV?なんだソレ?」

跡部は話の内容が掴めないといった表情で聞き返してくる、宍戸と慈郎はギョッとしながら跡部を見るが箱入り娘の跡部なら知らなくても頷けると納得し宍戸が説明しようと口を開く、が

「AVってのはな…ぅぐっ!」

宍戸は急に口をふさがれてしまう、もちろんやったのは慈郎だ、慈郎の手を無理矢理引き剥がし怒鳴る宍戸、

「……っにすんだよ!」
「まぁまぁ。跡部、AVってのはねスッゴイ面白いモノだよ。侑ちゃんが沢山持ってるから見してもらうといいよ。」

慈郎は笑顔で跡部へ教えてやる、宍戸はマズイのでは?と思いつつも訂正するのも面倒くさいのでそのままスルーした。

“AV?面白いモノ?侑士が持ってる?”

よくわからないが面白いなら見せてもらおうと跡部は忍足のマンションへと向かったのだった。


******


チャイムが鳴り返事をする

「はぁい、誰やろ?」

今日は男子テニス部は休みだったため早めに家に帰ってきていた忍足の所へ跡部がやってきた

「あれ、どないしたん?今日は平日やよ?」

いつも週末に忍足の家へ泊まりに来ているが今日はまだ平日で明日も学校がある、

「なんか侑士が面白いモノ持ってるらしいから見にきた。」
「おもろいモノ?」

忍足はまったく訳が分からず跡部を見つめるが可愛い恋人が来てくれた事が嬉しかったのでよしとして家に上げたのだった。
リビングへやってきた跡部は例のモノを見せて貰おうと忍足へ尋ねる、

「侑士AV見せろ。」

その言葉を聞いて忍足はビクッと背筋を震わせ跡部を見た、

「え?え?あの?え?」

忍足はいつもの余裕はどこへやら動揺してどもってしまっている。

「凄く面白いって聞いたぞ、侑士が沢山持ってるからって慈郎が…」

また慈郎がいらん事を吹き込んだのかと慈郎へ怒りを憶えつつも今はこの危機を回避しなければならない。

「…俺…持ってへんよ…」

忍足は今だ吃り気味に視線を泳がせ否定するが、

「うそ、侑士の顔見ればわかるもん。早く見せろよ!」

跡部は少しご機嫌斜めになりつつ詰め寄る、

「侑士一人面白いの独り占めなんて狡い!」

AVが何かまったくわかっていない跡部は忍足に強請り続け忍足は諦めたのか、

「ほんまに後悔しぃひんな?」
「うん!」

嬉しそうに頷く恋人へ一つため息を吐きビデオデッキへと向かった、しかし

「やっぱりやめようや…」
「なんでだよ?いいって言ったじゃん。」

軽そうに答えてリモコンを手にとり自分で再生を押した、

「あ、ちょっ景ちゃん!」

忍足は止めようと跡部の方へと乗り出すが遅かったようだ、画面には男女のセックスシーンが映し出される、画面の中で女は喘ぎ声を上げ男は女を攻め立てていた。
跡部は体が硬直したように動かず画面へと釘づけになる、見たくもないセックスシーンから目が離せなくなっていた。忍足はやばいやばいと思いつつ跡部を見ると跡部は今だ一言も発せず固まったままだった。

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