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□貴方が好き
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手を伸ばせばすぐ貴方に届く距離で…
幼い頃からずっと守ってきたんだ、そうずっと…。
貴方はとても可愛くてとても純粋でとても綺麗。初めて会った時好きになった、そう一瞬で。こんな気持ち初めてだった。今も憶えている初めて会った時の貴方の顔、言葉、そして胸の鼓動、きっと一生忘れる事はないでしょう。
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泣いていた貴方を見つけて声をかけた僕。
「どうしたの?何で泣いてるの?」
「…くっ…母様とはぐれてしまったの…ひっく…」
振り返った貴方の泣き顔は今まで見たどんな綺麗なものも霞む程美しかった。
「僕、ジローってゆぅんだあくたがわじろー、お母さん一緒に探そ?」
僕がそう言った途端貴方の幼い泣き顔が見る見る笑顔に変わっていった、泣き顔も綺麗だったけれど笑った顔はそれ以上だった。一瞬見惚れて何も言いだせない僕に彼は笑顔で言ったんだ
「本当に?ありがとう。僕あとべけいご。」
「じゃあけいごって呼ぶね。けいご、お母さんのトコ行こっか。」
そう言って手を差し出すとすぐに手を取り握り返してきた。
幸い母親はすぐに見つかりけいごは母親の所へかけて行った、母親も心配していたのかけいごを抱き締めた。僕はそれを見届けて帰ろうとするとけいごは振り返り笑顔で呼んだんだ僕の名前を
「ジロー!ありがとう!!」
僕は嬉しくなった、初めて呼んでくれた僕の名前。僕は手を振ってその日別れた。
氷帝学園の幼稚舎に入った、そこで彼に再開した。幼いながら運命だと思った。
彼は僕を見た途端笑顔で駆け寄ってきた、
「ジロー!!」
僕も笑顔で返した、
「けいご!!」
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それからけいごは僕に付きっきりだった。綺麗で可愛いけいごは男の子にも女の子にも人気だったが、幼い子供の愛情表現は意地悪に走りやすい、けいごはよく泣かされては僕の所にきた。
僕は泣いたけいごを抱き締めおでこや頬にキスを落とした。けいごはそうするとすぐに泣き止んだんだ。
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