GIRL
□love you
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付き合い始めて二週間が過ぎた。
まだ実感が沸かない、まさかあの跡部が自分を好きだったなんて。
彼女はあの日からなんら態度は変わらなかったし寧ろ一層冷たくなったとさえ思える。
あの保健室でも一件は夢だったのではないかと考える程だった。
「景ちゃん、なんや冷たない?」
「景ちゃんて呼ぶな、鬱陶しい。」
今日も跡部のクラスに行ってみたものの彼女に冷たくあしらわれる、やはりアレは夢だったのだろうか。
「鬱陶しいて…」
やはりそこまで言われて落ち込まない訳が無かった、しゅんとして教室の方へ戻ってゆく忍足の後ろ姿を見ながら盛大な溜め息を吐く跡部が居た。
彼のことは好きだ、でも素直になれない自分に腹が立つ
今まで彼氏の居た事のない跡部は彼にどう接していいのかわからず、ついつい冷たい態度をとっては後悔していた。
あの日から恥ずかしくてまともに顔も見ていない、本当は好きな筈なのに。
こんな事なら付き合う前の出会った当初の方が上手くやれていた。
想いが通じ合って幸せな筈なのに前よりギクシャクしてしまっているのが現状で本当はもっと自然体で接したいのに。
こんな関係では近いうちに嫌われてしまうのは目に見えている、それがまた恐怖でもあった。
「よしっ」
一つ気合を入れて自分らしくいこうと意気込む跡部だった。