GIRL
□アルコール
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選抜の試合終了後、部屋に戻った忍足と跡部。
「今日でこの堅いベッドともおさらばか。」
「そおやね。でも景ちゃんよく頑張ったよな女の子なんに。」
「関係ないだろ男とか女とか、強い奴が勝って弱い奴が負けるだけだ。」
「せやけど…でもよく頑張ったよ、俺景ちゃんの頑張っとるとこ好き。」
「ばーか、それ以外も好きだろ。」
「はは。やっぱ景ちゃんにはかなわへんなぁ。」
そんな会話をしている中跡部がふと呟く、
「ちょっと真田に用があるんだった、立海の部屋行ってくるな。」
そう言って立ち上がる、
しかし既に部屋着に着替えてしまったため上はТシャツ、下は短めのスカートだけだった。けれどすぐに戻ってくるつもりだったのでそのまま行くことにしたのだった。
忍足は“気ぃつけてな”と軽く見送るだけだったのだが…
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廊下を歩いていると前から千石がやってきた、千石は跡部に気があるのかいつも口説こうとしてくるが跡部は相手にしない、
「あれぇ跡部君じゃない、こんな所一人でお散歩?女の子なんだから一人じゃ危ないよ?」
そんな軽口を叩きながら腰に手を回してくる、
「お前がいるから危ないんだよ、気やすく触るな。」
「つれないなぁ〜これで合宿も終わるんだから最後くらい仲良くしてよぉ〜。」
「お前みたいなタラシと誰が仲良くするかバーカ。」
そう言って腰にあった手をつねり解かせる。
「これから真田の所に行くんだ邪魔すんなよ。」
跡部がそう言うと千石は
「奇遇だね、僕も今から切原君と飲もうと思ってね」
そう言い片手に持っていたビニール袋をちらつかせる、中にはビールやチュウ杯が入っていた。跡部は呆れながらも千石と共に真田と切原のいる立海の部屋へと向かった。
ドアを開けると真田と切原がこちらに顔を向ける、
跡部はさっさと真田との用を済ませて帰ろうとすると千石と切原に呼び止められた、
「跡部君も飲まない〜?」
「そうですよ〜飲みましょうよ跡部さ〜ん」
もう酔い始めているのか呂律の回りが少しおかしい。
「切原、またそんな物を持ち込むなど…たるんどる!」
「まぁまぁ真田副部長、選抜合宿も今日で終わりなんだしちょっとくらいいいじゃないすか」
切原はへらへらと答え跡部を手招きする、跡部はビールやチュウ杯など無縁だったので興味があった、その誘いに勝てるはずもなく食い付いてしまったのだった。