GIRL

□love you
2ページ/11ページ


「あーとーべ!」

ホームルームが終わり今日はもう帰宅していいらしくクラスの大半が出て行った中に跡部はまだボーっと机に座っていた、そこに大声で現れたのは芥川慈郎、幼稚舎からの幼馴染で跡部の最も信頼している親友だ。
彼は男だったがその可愛い外見から男にも女にも好かれ人懐っこい所は跡部も若干だが羨む程だった。

「あとべAクラスなんだー俺Cクラスだよー」
「そうか、宍戸は?」
「亮ちゃんは俺も会ってないからわからないなー。ところで、変なヤツに絡まれなかった?」

そう聞かれれば、入学式後に知らない男に話しかけられたのを思い出したが大した事ではなかったので「いいや」と軽く返答した。
慈郎はそれを聞いて安心したのかまた笑顔で俺を構ってくる、やはりコイツがいると落ち着く、彼女も少しずつ笑みが見え始めた。
そこに慈郎はまたどこから仕入れてきたのかこんな事を言い出す。

「そういえば、なんか転入生の中に大阪から来た奴がいるらしいよ。」
「大阪?」
「うん、入学式には居なかったみたいだけど、背が高くて長髪の男だって。女子が騒いでたんだけど、跡部知らない?」

そう問われても見に覚えがない、

「わかんねぇ。」

興味もなかったので深く考えもしないで、すぐに答えを出した。
慈郎も“そうだよね”と笑いながら流すと二人はバッグを手に帰宅した。


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ