GIRL
□love you
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次の日は宍戸と登校した、新しいクラスについて等の話をしながら校門近くまで歩くと前方から長髪の男が歩いて来た、宍戸はそれを見るなり“あ…”と声を漏らし険しい顔付きになる、向こうもこちらをチラリと見やり近づいてくるのがわかった。
「昨日の。」
向こうがそんな事を言うものだからてっきり昨日宍戸と一戦交えたのかと勘違いしているとどうやら彼は宍戸ではなく俺に話しかけているようだった。
「え…」
思わず声が漏れる、服装は違えどどこかで見たことあるような気がしてきた。
「アンタ、昨日屋上で…」
向こうの言葉でやっと昨日の屋上での一見を思い出す、
「あ、お前…あの時の…」
そう呟き妙に納得した顔をする俺に彼はこんな事を言う、
「なんや忘れとったんか、こんなカッコエエ男の事を。」
冗談交じりに言う彼に、バカじゃねぇのという視線を向け、
「あぁ、もうすっかりな。」
皮肉を込めて言ってやると彼は苦笑し“おもろいやっちゃなぁ”と呟いた。
そんな俺と男の会話を除け者状態で聞いていた宍戸は無理矢理話題に入ってきた。
「お前等、知り合いだったのかよ。」
そういう彼に俺と男は同時に答える
「そうやで。」
「違げぇよ。」
一瞬顔を見合わせたが、跡部はツンとして自分のクラスの方へ歩き出した。背後から宍戸の止めようとする声がしたがシカトして彼らから離れた。
ああいった部類の男が一番気に食わない、イライラしながら教室で荷物の整理を始める跡部に話しかける者など居る筈もなかった。