GIRL

□love you
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放課後跡部は入部届けを手に顧問の榊太郎の元へ向かった、結局女子テニス部に入部する事を決め職員室に入る、榊の机を発見するとそこには何故か大嫌いな忍足侑士の姿まである。露骨に嫌そうな顔をしてしまったが、此処は職員室なので表情を戻し平然を装うと榊に一つお辞儀をして入部届けを差し出す。

「跡部景吾…か、入部を許可する。明日から練習に参加してもらう、今日は見学のみしていけ。それと忍足、お前も今日は見学だいいな。」

「はーい。」
「では、二人とも行ってよし。」

榊に促され職員室を出る二人、嫌な奴と一緒になってしまった。

「お前、なんであそこに居たんだよ?」

跡部が問いかけると忍足はすぐさま返答した、

「俺、太郎ちゃんのテニス推薦でこの学校来たんやもん。」

正直驚いた、こんなチャランポランな奴が強豪で有名な氷帝テニス部のテニス推薦だなんて、人は見かけに寄らないとは正にこの事だ。

「お前、意外とすげぇんだな。」

悪態を付いていた跡部だが、凄いと思った事は素直に認める。

「景ちゃんもテニス部入んねんな。」
「馴れ馴れしく呼ぶな。俺は昔からやってたからな。」

これからの部活の事考えるとワクワクしてくる、氷帝は男子女子共に強豪で有名だ、それはきっと指導者の榊太郎が男女の顧問を掛け持ちしているからだろう。
その為練習は一緒に行われ、練習内容も男女に差は殆ど見られなかった。
そんな所でテニスが出来ると思うと自然に胸を高鳴らせる跡部がいた。

「早く練習見に行こうぜ!」

跡部は先程まで気に入らないと思っていた男を目の前に笑顔を見せ、早く早くと急かした。急な態度の変わりように忍足も戸惑ったが彼女が可愛い事には変わりない。

「そない急がんでも、転んだら大変やで。」

そんな言葉を掛けてやり彼女の後を追った。



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