GIRL

□合縁奇縁
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跡部は忍足のマンションへと走った、ドアの前まで来てインターホンを鳴らし待っているとドアが開き忍足が出てくる、彼は一瞬固まりそして口を開いた

「どないしたんこんな時間に?」

いつもの喋りだと他人は思うかもしれない、しかし跡部は気付いたいつもの忍足とは違う。

「千石と帰ったんちゃうの?なしてこんな所におるん?」
「そうだ、それでホテルに入った…」
「‥‥‥。」

忍足は黙ったまま跡部の話を聞いた

「……でも違うと思った、だって本当に好きな人は他にいるんだから…」
「‥‥‥。」
「俺はお前のことが好きだ…彼女がいるのはわかってるけどちゃんと知ってもらいたかった……困らせてごめんな……」

跡部は俯いたままそう言うと床にポタポタと雫が零れ落ちる、そんな彼女に俺は手を伸ばし抱き締めていた

「俺も景ちゃんが好きやよ、初めて会った時からずっと…もぅ景吾しか見えんのや…」

跡部は顔を上げ“でも…”と呟くと忍足はにこっと笑いこう続けた、

「景ちゃん勘違いしてるで、俺彼女なんていないもん」
「でも教室で好きって言ってるの聞いた!」
「んん…あれはつまり景ちゃんのことが好きやって意味やったんやけど…」
「え!?あの…じゃあ俺の勘違い…?」

忍足は無言で頷くと跡部の顔がみるみる赤く染まっていく、

「……俺…最悪…。」

跡部が落ち込んでいる中忍足が言う、

「最悪ちゃうよ、景ちゃんが嫉妬してくれるなんてめっちゃ嬉しいもん、おいで。」

忍足は跡部を中へと招き入れる、跡部は玄関に入り忍足と向き合うと抱きついてきた、

「どないしたん?」
「なんでもない…ただ嬉しくて…」

跡部はそう言って忍足を見上げた、二人の目が合いゆっくりと顔が近付き唇が触れ合う。
忍足は彼女の折れてしまいそうなほど細い身体を抱き締める。いつから夢にみていただろう跡部と結ばれることを…
忍足は跡部の耳元で囁いた、

「俺、これが初恋やわ…。」

そして跡部も続けた

「俺もだ。」

二人は向き合い笑い合った。


fin

20050422

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