GIRL

□アルコール
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「跡部君、あんまり飲みすぎるとよくないよ?」
「うるさいバァカ」

跡部は初めてのお酒に完全に呑まれていた、顔を赤くほてらせながらも手は止まらずに既に三缶目を空けている。

「ちょっと跡部君、もうよしなよ潰れるよ」
「うるせぇ!酔ってねぇよ!!」
「充分酔ってるよ、忍足君に怒られるよ?」
「ゆうし?ゆーしはへーき、俺に甘いから」

(確かに…確かに忍足君は跡部君に甘いけど…でも人前でこんな所見せたら怒られるだろ…)

「それに最近ゆーし冷たいの…」
「えっ?そうなの?」

(もしかして跡部君を奪うチャンス?)

「あのね、最近エッチしてないの…」

跡部は他人の前でとんでもない事を言っているのにも気付かず続ける。
真田は飲んでいたお茶を吹き出し、切原は興味津々といった表情で目を輝かせる。千石も少々焦るが跡部と忍足のことは前々から気になっていたのでそのまま聞いてあげる事にした。
「俺がね誘ってもしてくれないの…合宿中は身体に響くって言って…」
「それは跡部君を想ってのことでしょ?」
「でも溜まってると思って口でしてあげるって言っても断るの…」

真田は再度お茶を吹き出し、切原は更に目を輝かす。

「それはね、多分最後までしたくなっちゃうからだよ。」

千石は何故か二人のフォローに回りつつ跡部を慰めた、

「そぉなの…?」
「そうだよ、だから安心しな?」
「ゆーし俺のこと嫌いじゃない?」
「うん、好きだよ。」
「俺もゆーしが好き!」

跡部はそう言って千石に抱きついてくる

「ちょっっ跡部君っ!?」

千石は焦るが今抱きついてきているのは自分の想い人の跡部だ、肩口にあたる柔らかい感触はきっと彼女の胸だろう…こんな体勢がいつまでも続いたら自分の身体に異変が生じてしまう。
また同じ考えの男が他にもいた、その男とは真田弦一郎だ。跡部の夜の生活を聞かされた時点でムラムラし始めていたのだが、今跡部が千石の方に倒れ込んだ事によって真田の位置から跡部の薄ピンクの下着がスカートからチラチラ覗いていた。

「跡部いいかげんにしろ!!」

居たたまれなくなった真田は跡部に向かって怒鳴りつける、すると跡部は身体を起こし真田を見る、そして

「なんだよ、うるせぇな!」

跡部はさっき話していた事も千石に抱きついていた事も忘れ真田を怒鳴り返す。

「なっ…なんでもない…」


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