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□悪戯
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「んん……」


コタツの向こうでは小さな寝息が聞こえる、向かいで眠っているのはアレルヤ・ハプティズムの恋人で昨日から泊まりに来ているティエリア・アーデだ。






悪戯






「ティエリア、もう帰る時間だよ?送っていくから帰ろう?」

「五月蝿い。」


昨日は二週間ぶりに御泊りのお許しが出てうちに来ていたティエリアが、初めて見るコタツを気に入ってしまったのかなかなか出てくる気配がない。
元々この御泊りも、刹那の家に泊まるとウソをついて此処に来ている為アレルヤは気が気ではなかった。
未成年の女の子を預かっているというだけで大問題なのに、まさかその子と昨夜はあんな事やこんな事をしてしまった後なだけに…


「でも、此処来てる事お家の人は知らないんだよね?」

「そうだが」

「なら知られたらマズイでしょ?」

「構わない」


そんなことどうでもいいというような声音で呟く彼女に呆れてしまう。


「よくないでしょ、僕はこんな形で知られるの嫌だよ」


ウソをついて男の家に泊まりに着ていた事が知られたら、今後一緒にいられなくなるかもしれないというのに。


「あまりわがまま言うようなら強行手段に出るしかないね。」

「なに?」


寝転がっていた顔をムクリと上げてこちらを見てくる彼女にニコッと微笑んだかと思うと、


「…ッ!?」


コタツの下で足首を掴まれたかと思うと、履いていた靴下を脱がされて足の裏をこちょこちょと擽り始めた。


「やめろ!アレルヤ・ハプティズムッ!!」


掴まれていない方の足で抵抗を試みるものの、片足が擽られている為に力が入らず上手くいかずにくすぐったくて初めは悶えながらも耐えていたティエリア。


「ん、やめッ!んんっ…ぁ…」


あまりにもしつこく擽り続けるアレルヤに何時しか疲れ果て仕舞いには涙が溢れ始める。


「…も、やめろっ、と…言って、いる…」


涙声が聞こえてくれば流石のアレルヤも止めないわけにいかない。


「ごめん…、悪乗りが過ぎたね…」


そう言って向こう側で顔を伏せて息をついている彼女を覗き込む、ティエリアは頭を伏せたまま中々起き上がる気配がなかったので急に不安になり身を乗りだして話し掛けてみた。


「ティエリア?どうしたの、大丈夫?」


優しく話し掛けてみたけれど、返答はなく顔も上がる気配がない。
心配になった彼はコタツから抜け出してティエリアの寝ている側へと歩み寄った。


「ねえ、どうかした?怒ってるの?」


アレルヤの問い掛けに伏せた頭が左右に振られる、怒っている訳ではないらしい、では一体何が起こったというのだ。


「ティエリア、口で言ってくれないとわからないよ。」


ティエリアの横でしゃがみ込み困り果てているアレルヤに彼女の小さな声が届く、


「き、みが…」

「ん、なに?もっと大きい声で言って。」

「君が変なことするから…ッ!」

「するから?」

「…濡れた」


“何が?”と聞き返そうとする声は彼女の顔を見た途端に喉の奥に飲み込んだ。
ティエリアの顔は真っ赤に染まり欲情の色を濃くしていた、濡れたとは発情の意味を示していたのだ。


「ティエリア…、ごめん…。でも、君…」

「その先を言ったら撃つぞ!君が悪いンだろ!」

「僕も悪かったけど、君が猫みたいに発情したんでしょ」

「口を慎め!君が足で…するからだろ!」

「足?くすぐっていただけだよ?」

「ウソをつくな!!」


どうも二人の会話がかみ合わない、足を擽って悪戯をしていたのは事実だが、それ以上のことはしていないというアレルヤと、もっと何かされたと言い張るティエリア。


「じゃあ僕が何したっていうのさ?」

「そんなこと…ッ」


ティエリアは顔を赤くして俯く、この反応は相当いやらしいことをされたと態度で訴えていた。


「誤解だよ、僕は何もしてないもの。」

「まだシラを切るつもりか!」


そんな言い争いをしていると、コタツの布団がモゾモゾと動き一匹の三毛猫が顔を出す。
コイツは先日スメラギさんが一週間ほど海外旅行に行くから預かってくれとアレルヤに半ば強引に預けられたネコだ。
二人は顔を見合わせる、まさか…いやまさか。しかしそれ以外に考えられない。


「殺す!アレルヤ・ハプティズム!!」


ティエリアは目の前にあった彼の顔に平手打ちを喰らわせる、


「なんで…」


彼は叩かれた頬を押さえながらネコを恨めしそうに見つめた、あのネコは一体コタツの中で何をしたのか。




End

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設定が曖昧なのはご愛嬌

 

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