G00

□Kink
1ページ/4ページ



肩に重みを感じた、気付けば隣に座っていたティエリア・アーデがアレルヤ・ハプティズムの肩へともたれ掛かっている。



今日は何かと祝いだとこじつけては騒ぎたがる戦術予報士の仕切りで飲み会が行われている席でのことだった。
付き合いの悪いティエリアが珍しく顔を出して無言で隣に座っているかと思えばこの予期せぬ事態。
他の者たちはそれぞれ他愛のない会話を楽しんでいるらしく二人の事には気付きもしない。
アレルヤはチラリとティエリアの顔を覗き込むと色白の顔がほのかに赤らんでいる、察しのいいアレルヤは彼の目の前に置かれているグラスに手を伸ばしクンクンと鼻を近づけると案の定、アルコールの香りが漂ってきた。
ティエリアは既に瞳を半分以上閉じ掛けていて、このままにしてもおけないので右隣に座っていたロックオンへと告げる、彼は末っ子である刹那に付きっきりであった。


「すみません、僕、少し疲れたので部屋に戻ります。ティエリアも戻るみたいなのでスメラギさんに伝えてもらえますか?」

「おお、わかった。」


ロックオンはティエリアの様子を伺うでもなく生返事をした。
ティエリアのことだ、きっとこんな姿を他人に晒したくないに決まっている。
アレルヤは詳しい詳細を伏せると彼の腕を自分の肩へと回させそっと立ち上がる。
幸い二人の行動に気付くものは誰一人いなかった。


◇◇◇


肩に回させた腕と腰を支えながらズルズルと引き摺るけれどまったく歩いてくれる様子がなく、これでは埒が空かない。
アレルヤは一つ溜め息を吐くとティエリアの膝裏へと腕を滑らせ抱えあげる。


「んん…」


彼は既に意識がないのかアレルヤの首に両腕を回し抱きつくような体制になった、素面のティエリアだったらこんな状況は戦争が根絶するくらいありえないことだ。
肩に埋まった顔に、鼻を掠めるいい香り、酔ってしまいそうだ。
アレルヤは胸をドキドキと高鳴らせると、ブルブルと顔を振り彼の部屋へと向かった。


「あ…」


無事彼の部屋前まで辿り着いたアレルヤは間抜けな声を漏らす。
室内に入るためには暗証番号の入力が必要なのだ。
当然今のティエリアには聞ける状況ではないし、仮に聞き出せたとしても後が恐い。


「はぁ…」


もう一度大きく吐息を吐くと、踵を返し自分の部屋へと向かう。


◇◇◇


自室に辿り着くとすぐにベッドへと向かい抱えていた荷物をそっと其処へと寝かし降ろし彼の掛けているトレードマークとでもいうべき眼鏡を外しベッドサイドに置く。
体力的にはもちろんだけれど、それ以上に精神的ダメージの方が大きかった。
此処へ連れてきたからといって、このあと彼をどうしたらいいのかはノープランだ。
ベッドは占領されているので寝るところは床かソファーしかない、消去法で云ったらソファーで寝ることになるだろう。
アレルヤは今日何度目かの溜め息を吐くと立ち上がりティエリアの傍を離れようとする、すると、


「ん、ん…」


彼の口から息が漏れた、視界に入ってきた彼はベッドの上で身悶えている、どうやら着ている服が苦しいらしい。
それにしても、男だというのに細い身体に、ワイシャツの襟元から覗く鎖骨が色っぽいこと。
着ているカーディガンは乱れて肩が少し出ている。


「これは…」


アレルヤは無意識にそう呟いてしまう、未だに身悶えているティエリアへと手を伸ばすとカーディガンを脱がせワイシャツのボタンも一つ、二つと外してやり、ベルトのバックルも外す。
すると、苦しそうな呻きは消え再び寝息を立て始めた。
ティエリアの姿をもう一度見返すと乱したワイシャツに外れたベルト、なんだかイケナイことをしてしまった後のような罪悪感さえ感じる。
自分の心臓の音がドクドクと耳に響いてくるのを自覚していた。



◇◇◇



「…んぁ…」

ベッドに寝かされ霞む意識を取り戻したのか薄目を開けた、首筋の吸い付く唇の感覚に声を漏らす。
頭がフワフワとしていて思考が働かない、しかし確かに感じるのは首筋を吸っては舌を這わせてくる男の感覚、それだけは妙にリアルだった。


「ごめん…我慢できない…」


そんな呟きと共に二つほど外してあったワイシャツのボタンが更に外され、露出した突起をキュッと摘まれた。


「あんッ…」


漏れた声は信じられないくらい甘い、本当にあのティエリアだろうか、確認するように首に埋めていた顔を上げると間違いなくティエリア・アーデの綺麗な顔が快楽にいやらしく歪んでいた。
なまじ元がいいだけに、感じているときの顔と云ったら…アレルヤは下半身に血が流れ込む感覚を覚える。
ティエリアは頬を染め、眉を寄せて瞳を固く閉じていた。
まだ覚醒していないのか、声を漏らすけれど抵抗する様子はない。
むしろ快感を享受しようとしているようにさえ見える。指で摘まんだり擦ったりを繰り返していた突起を口腔に含み、チュッと吸ってみる。


「ひゃッ、ぁ…」


少し大きくなった声に夢中になり、両方の突起を手と口で刺激し続けた。


++++++

次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ