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□【心に浸透する】(おや←翔前提照翔)
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「て、照井!?」
何時の間にか居た照井に驚きを隠せず、勢いよく席を立つ。
「な、なんで…」
先程まで考えていた人物の急な登場に動揺し、上手く口が動かない。
「…鳴海荘吉か…」
そのまま照井の質問に翔太郎が答えないでいると、照井は何を思ったのか、そう口にする。
「オ、オマエには関係ねぇだろ」
半分当たりでもあり、まさか、オマエのことも考えていたなんて言いたくない翔太郎はぶっきらぼうに答え、
外方を向いた。
すると、照井が翔太郎の腕を掴む。
「いっ、何すん…」
「君はいつになったら俺を見てくれる?」
「え?」
「俺は…君が好きだ」
「照井…」
思ってもいなかった言葉に翔太郎は動揺する。
自分で理解出来る程、ドクドクと心臓の音が鳴り響いている。
「俺…」
照井の気持ちを知った今、翔太郎も自分の気持ちに正直になろうと口を開く。
だが、
「わっ、」
突然照井に体を引っ張られて、照井の胸元に翔太郎の身体がぶつかる。
「て、てめぇ、いきなり…」
文句を言おうと見上げれば照井の真剣な顔がそこにはあり、翔太郎は何も言えなくなり黙り込む。