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□【目に映る姿】(照翔)
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「おっす、刃さん」
「おお、翔太郎」
風都署のドーパント関連事件の捜査を担当する、超常犯罪捜査課に翔太郎が赴くと、
中に居た刃野が歓迎する。
「あれ、刃さん一人?」
「まぁな。見たとおり二人とも出掛けてる」
「そっか。それよりさ−−」
暫く二人がたわいもない話をしていると後ろから声が掛けられる。
「何だ、左。仕事の邪魔しに来たのか?」
その口調ですぐに誰かを判断した翔太郎は少しムッとしながら振り向く。
「ちげぇ・・・!?」
言い返そうとした翔太郎だが、照井を視界に入れた途端、言葉を止める。
立っている照井は手に書類を抱え、普段掛けていない眼鏡を付けている。
思わずその照井の眼鏡姿に魅入る翔太郎。
「どうした?」
書類を近くのデスクに置いて翔太郎に近付いて来る照井。
「あ、な、なんでもねぇよ」
翔太郎はあたふたしながら照井の横を通り過ぎ、部屋から出て行った。
「何だ、アイツ・・?」
翔太郎の言動に訳が解らない照井は去っていった翔太郎の方向を見ながら首を傾げる。
「ハハ、アイツも乙女だねぇ〜」
横で一部始終見ていた刃野は昆布茶を飲みながら愉しそうに笑った。
後日、理由を照井が尋ねるも翔太郎は一向に話さなかった。
(眼鏡している姿がかっこよかったからなんて言えるか///)
end
2011.09.02