おお振り

□保護者(ガーディアン)
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こちらは、花井と阿部。

花井の携帯電話からは、ツーツーという、寂しい音がしているだけだ。


「…あの野郎。かけてきておきながら、勝手に切りやがって!それも、俺が話してる途中で!」


花井は、怒りで体が震えている。

強く握りしめられている携帯電話は、今にも壊れてしまいそうだ。

全てを見聞きしていた阿部は、取り敢えず、花井を落ち着かせることにした。


「まぁ、そう怒んなよ…俺はさ、お前が1番、あいつの性格分かってんだと思ってたんだけどな」


言い方は雑に聞こえるかもしれないが、これでも花井を落ち着かせようとしているらしい。


「はぁ?…阿部。お前、何が言いたいんだよ」

「だからぁ…俺は、お前なら『田島は、そーゆー奴だから…』とか言うと思ったってだけだよ」


そう阿部が言うと、花井は少し驚いたような顔になった。
だったが、すぐにいつもの顔に戻った。


「…んー。まぁ俺、仮にもキャプテンだしな。チームメイトの事ぐらい把握しとかねぇと」


と、人差し指で、頬をポリポリ掻きながら言う花井。
そんな花井に、阿部は『こいつ、逃げやがったな』と思った。
だが、そこは敢えて黙っておく。



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