おお振り
□主将(キャプテン)
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先程まで、浜田と泉が居た所に、人影があった。
田島・花井・三橋・阿部の4人である。
「なーあ、花井。本当に、浜田と泉、ここに居んのかよ」
田島が、商店街を行き交う大勢の人を見て言った。
「知るか!それに、ここへ行こうって言い出したのは、俺じゃねぇ…阿部だろっ」
「まぁ、2人が居るにしても、こん中から探すのは大変だな…」
花井の反論を無視した阿部は、商店街を行き交う人の多さにうんざりしつつ、言った。
「あ…と、取り敢えず、お店、1つずつ見て、回らない?」
珍しく、自分から発言した三橋。
おずおずとではあったが。
「…そうだな!よぉし、そうと決まれば、行動あるのみ!三橋、行こうぜっ」
そう決心した田島は、だっと勢い良く走り出した。
「あっ。う、うん!」
少し遅れたが、三橋も慌てて追いかける。
取り残された2人は、仕方ないといった風に、ゆっくりと動き出した。
《30分後》
二手に分かれて探してみたが、浜田と泉は見つからなかった。
「なぁ…もう、2人共ここにはいねぇんじゃね?」
4人が合流して、最初に口を開いたのは花井だった。
「ってか、初めっから商店街に浜田と泉がいるって、分かってた訳でもねぇしな」
と、最初に商店街へ行こうと言い出した奴が言った。
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