おお振り
□特別(スペシャル)
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時は、4人が浜田と泉を探していた頃までさかのぼる。
2人はと言うと、泉のお陰で、思っていたより早く、商店街を後にしていた。
「ありがとな、泉。お前のお陰ですぐ決まったよ」
「お前が優柔不断すぎんだよ」
「あはは!確かに俺なら、ずーっと悩んで、結局、決まんねー!って事になってただろうから…ほんと、助かったよ」
浜田は、心からお礼を言った。
「どう致しまして…それにしても浜田ってさ、物選ぶってだけに、時間かけすぎ」
いくら時間あっても、なんか勿体ないぜ?と、浜田を指差し、びしっと言う泉。
「だってさ、大事な人へのプレゼントだぜ?普通、悩むだろ」
「いーや。普通はそんな悩まねーよ。俺だって、かなり適当だぞ」
その泉の言葉に、浜田は、ぷんすか腹を立てた。
「そんな事言うなよ!折角、俺、これ泉(お前)にあげようと思ってたのに…やっぱ、三橋にやることにするわ」
最後の方は、声が小さくて泉には聞き取れなかった。
が、確かに浜田はそう言った。
泉が唖然としている間に、浜田は歩くスピードを上げた。
「お、おい。浜田っ」
最初は隣を歩いていた浜田が、今は少し前を歩いている。
後ろから浜田を見ている泉には、何故か浜田が拗ねているように見えた。
その様子から泉は、取り敢えず謝っておこうと考えた。
「浜田…さっきは悪かったよ。謝るから、さ」
心の中で『一応な』と付けたし、浜田に向かって謝る。
すると、早足で進んでいた浜田の足が止まった。
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