野生生活

□鉄生、波乱の1日
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「あぁああ!暇で暇でたまんねーよ!」


自分用の小さな椅子に、どかっと座っている。
頭の後ろで腕を組み、イライラを吐き出すかのように叫ぶ。


「まぁまぁ…でもね、岩城くん。患畜が来なくて暇なのは、それはそれで良い事じゃない」


かなりの正論を述べた観月は、カルテの整理をしている。


「あれー?誰が発狂して叫んでいるのかと思えば、鉄生くんじゃないか」

「陵刀…」

「こんな真っ昼間から大声で叫んでたら、ご近所さんの迷惑になるよ?」


爽やかな笑顔の陵刀。
一応、ここでは『教授』ということになっている。
因みに、もの凄く腹黒い。


「だってよー、陵刀。今日に限って、いつもはひっきりなしに来る患畜が、全っ然来ねーんだぜ?」

「そうだねぇ」

「あー…暇で暇でたまんねー!」


何故か立ち上がった鉄生は、自分の座っていた椅子を蹴り上げる。
本物の馬鹿である。


「でも、そんな事言ってたら物凄い来ちゃうかもよ?患畜」


あはは〜なんちゃって、と笑いながら言う観月。


「あ?良いんだよ、それで。寧ろ来てくれた方が良…」


ぷるるる ぷるるる


電話が鳴ったため、話の途中だったが中断された。



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