野生生活

□鉄生、波乱の1日B
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さて。こちらは、全力疾走している鉄生たち。

部屋の前までやって来た鉄生たちは、大慌てで中へと入った。


「平波!」


ばーんと勢い良く部屋のドアを開けた鉄生。
すると、部屋の中のベッドに、ごろりとうつ伏せで横たわっている平波の姿を確認できた。


「平波ー!」


苦しそうに悶える平波に、鉄生が大声で叫ぶ。


「きゃああぁあ!」


後から入ってきた観月は、女の子らしい悲鳴を上げた。


「お、おお落ち着け、観月さん!ま、まずは…」


観月に声をかけた鉄生は、平波の服の前ボタンを外した。
そして、心臓のある辺りに左耳を当ててみた。


「…おかしいな。音は、これと言って変なトコは…あれ?」


鉄生は、心臓以外からも音が聞こえることに気がついた。
よく耳を澄ませて聴くと、その音は平波の喉の奥からしているのが分かった。


「お、おい。これは多分、何か喉に詰まらせてるんだ」

「ほ、本当に?岩城くん」

「でも、その…平波教授は何を喉に?」


その時だった。
部屋のドアが勢い良く開いた。


「りょ、陵刀!?」


そこに現れたのは、先程まで別行動をしていた陵刀だった。
何故か、右手に掃除機、左手にお椀を持っている。



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