おお振り

□助言者(アドバイザー)
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「そろそろ俺も戻るか。お前の言葉が効いてんなら、もう仲直りしてるかもしんねーし」

「お、おぉ?」

「…浜田、お前も戻るだろ?さっさと行けよ」

「お前…俺の事、先輩だと思ってねぇだろ」


はははと、乾いた笑いを見せる浜田。


「何言ってんだよ、今更…そう言えば、昨日貰ったあれ、何か変なんだけど」


それを聞くや、浜田の表情が一変した。
少し青ざめているように見える。


「なっ…お前、信じらんねぇ!あげた次の日に壊すか!?普通っ」

「壊れたんじゃねーって!何て言うか…時間が狂ってるっぽいんだよ」


それを聞いて、ひとまず浜田は、ほっと胸を撫で下ろした。


「なんだよ…それくらい、自分で直せよ。そんな騒ぐような事でもねーだろ」

「どうやれば直んのか、分かんねーから言ってんだろ」


きっぱりと、それも真顔で泉が答えた。
すると浜田は、いきなり笑い出した。
当然、泉はむっとする。


「何が可笑しいんだよ」


不機嫌丸出しの顔と、人を脅すかのような声色で、泉は尋ねた。


「いや、お前…普通、それくらい誰でもできるぜ?」


腹を抱えて大笑いする浜田。
それに比例して、泉の怒りのメーターは、ぐんぐん上がっていく。


「そんなに笑うことか!?」

「…多分、三橋にもできると思うし」


いや、だから…皆さん三橋の扱いが酷い気がしますけど。
(お前だろ)


「ぐっ…仕方ねぇだろ!俺、腕時計なんて持たねー奴だしっ」

(それでも、普通は知ってるもんだよ)


心の中だけで呟く浜田。


「分かった分かった。俺が、直し方教えてやるよ…これからは、使ってくれるんだろ?」

「勿体ねーだろ。資源は無駄にすんなっての」

「素直じゃねー」

「言ってろ…俺は、いつも自分に素直だ」



/////


何となく、前作(浜泉)の続き感が出したかったので、最後の方をくっつけました(*^^*)

あと、前半は『喧嘩を収めるのが上手いのは、基本、状況を詳しくない第三者だ』という自説からきていますw
チョイスが浜田さんなのは、前回が可哀想だったのと、一番『喧嘩を〜』の第三者に合ってた気がしたからです(^-^)
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