テニスの王子様★Dream

□有り難う
1ページ/3ページ



女の子が産まれたら、



あれもこれもしてあげてって、思ってたけど…






『おめでとうございます、男の子ですよ』





正直、少しがっかりした。


でも…


元気に泣く君を見て、無事に産まれてきてくれた事に心から感謝した。





『初めまして…』





我が子に初めて掛けた言葉は、それ。




後にこの子は、"リョーマ"と名付けられた。





リョーマを見た時の、父になった南次郎の嬉しそうな笑顔が嬉しかった。







死ぬ思いで、腹を痛めてリョーマを産んだのよ。




『何で私が』

『辛かったんだよ』



って、苦しみを終えた後に一番最初に訴えたい気持ちで一杯だった、南次郎への思い。


でも、いつもはテニスしか興味のない夫の、本当に嬉しそうな笑顔で全て救われてた。



でも…











『リョーマぁ、偉いぞリョーマ!』






リョーマが成長するにつれて、南次郎の溺愛っぷりは益々増加していった。



それと比例するように


私との関わりは減っていった。





構って、くれなくなった。










『ねぇ、南次郎』



そう言っても…



『ちょい待て、今リョーマが何か言おうとしてるみてぇだ』




そんな風に、私には見向きもしてくれない。







リョーマ



リョーマ



リョーマ……








南次郎はすぐ、"リョーマ"だ。







どうしよう



こんなにも、我が子が憎らしいなんて……












正直、



あの人のいない間に

殺してやろうか…とも思った。







どうしようもなく、追い詰められてた。




だから、

あの子との会話も

あの子への愛も、


徐々に離れていってた。






でも、そんなある日







次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ