dream
□猫物語2
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ガラリとドアを開け、誰もいない教室を見渡す
「あ、あった」
頼まれていたダンボールはロッカーの上に無造作に置かれていた
さて、とるとしようか…
しかしここで問題発生
ロッカーが思った以上に高いのだ
もちろんジュリアの背では届くはずもなく、ほそっこい手を懸命に伸ばして悪戦苦闘していた
背伸びもしてみる
でも届かない
ジャンプしてみる
でも届かない
「うぅ〜!」
ジュリアが唇をとがらせ拗ねていると音もなく教室のドアが開いた
ジュリアはそれに全く気付く様子がない
忍び足で近づく影
そして背後でそいつ手が伸び…
「たかーいたかーい!」
「にゃぁあああ!!」
ジュリアは嫌がる猫のように暴れた
「わわわっ、危ないって!」
「その声は、来栖翔!?」
「なんでフルネームなんだよ」
翔は少し拗ねたような仕草をする
「うるさい!放して〜!」
「下ろしてやるからそんなに暴れるなって」
翔は不機嫌なジュリアから手を離す
「ところでさ、あそこのもの取りたいんだろ?」
翔はロッカー
の上のダンボールに指を向けた