dream
□1等星
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車輪音だけが響いている
規則正しく、どこまでも続く線路の上を走っている
線路はどこまで続いているのか、誰も知る者はいない
このだだっ広い野原を永遠と巡り巡る
ここは見知らぬ土地、空は陰り、奇妙な色をしている
オーロラが様々に色を変え絹のカーテンのようにゆらゆら揺らいでいる
暗い空をどこまでも覆い尽くして消える傾向はない
そのせいで星なんてものはなかった
ぽつんとある電車の中にふと人影が映る
窓に寄りかかりその表情には暗い影を落としている
どういうことだろう、この電車には彼女しか乗っていないようだ
人気のない雑然とした空間を明るく照らしている両が目立つ
彼女がいるのは2両、ここも無機質に灯りが灯っている
電車の中は4人が向かいあって座る形の座席が対称的に並んでいる
窓の向こうに何があるわけでもない
なのにただただ向こう側を眺める少女
きらりと何か光った
それは星ではない、彼女の耳に付けられたイヤリングだった
なぜか片方だけしかついていない