dream
□pearl.snow
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さくさくと雪を踏みしめる音
おそらく雪が降り積もって間もないのだろう
彼女の足は深い雪の中に何度も埋もれた
ジュリア、彼女の名前である
どこから来たか分からない
なんのためにこんな雪原に来たかも
そして彼女自身も自分のことがよく分からなかった
記憶がないのだ
何回も思い出そうとした
しかしその度に時間が止まったようにカチッと思考回路が止まる
それはなんでかって?
そんなの誰も知らない
ただ彼女はそういう人物なのだ
そう決まっているのだ
運命という儚くも美しいものによって
そして、これから君に会うことも運命によって決められていた
歯車が今、動き出した