dream

愛レター
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夏祭り


花火が空高く打ち上げられている


色とりどりの花はきれいに咲き誇り散っていく


赤い風車、涼しげな音色をたてる風鈴、鮮やかな浴衣を着た人々


なにもかもが完璧だった


私たちはついにキスをする絶好の機会を手にした


一際大きな花火が打ち上げられた


「キス…してくれる?」


朝顔の浴衣を着たジュリアは頬を染め静かに目をつむった


しかしいくら待っても唇に感触が伝わってこない


「どうしたの?」


目を開けてみると神童は困ったような表情を浮かべていた


「ごめん…」


小さく漏れる謝罪の言葉にジュリアは悲しくなった


「私のこと嫌い?」


「違う!そうじゃないんだ…」


「なら何で…」


黙り込む神童


必死で言葉を探す


「いいよ…」


優しく切り出すジュリア


「私、待ってるから…ずっと、待ってるから」


そして儚げに笑う


神童はその笑顔に何度胸を痛めただろう



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