dream

帽子っ子
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「いらっしゃいませー!」


ガラス張りの自動ドアが開くなり元気の良い声が店内に響き渡った


ここはワグナリア、外見は極普通のファミレスなんだが従業員達はかなりの変わり者だという噂を聞く


「お席へご案内しますね」


くりっとした目で小学生が私に話しかけてきた


「あの…私、ここでバイトしたいんですけど」


「あ、バイト希望の子ですか!?」


「はい…」


自分より低い子が相手だからかもしれない、少し…話しづらい


いや、本当の原因はそこではないことぐらい分かっていたんだが、やはりそう言い訳してしまうのだ


「どうしたの?」


「い、いえ!何でもないです!」


「そぅ?よし、じゃ〜ここにいたら他のお客様の迷惑になるからとりあえずあそこの休憩室で待っててくれる?すぐ行くから!」


「は、はい…!」


原因の良い小学生はパタパタと店内の奥に消えていった


「え〜っと、指差してた方向は…」


目で追うとそこには休憩室と書かれたこじんまりした部屋があった


「あそこで待ってろってことだよね…」


かぶっていたキャスケット帽を深くかぶり直し歩き出した



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