復活SS

□骸受けSS2
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感情の欠落
(雲骸 シリアス?)


彼を見ると、破壊衝動が止まらなくなる。
とりあえず武器を取りだして、力一杯殴り付けた。

だけど、君は死なない。

本当にしぶといね


「君は、何故僕を追うんです?」

「何故?
それ本気で言ってるの?」


僕に敗北を与えたのは、君なのに。

10年前、君があんなことをしなければ
僕が君に会いに行かなければ
僕はきっと、君と会わなかったのにね?


「君は、何故僕を追うのです?」

「だから…」

「本当に、それだけ?

僕が君を倒したから?
君に屈辱を与えたから?

君は本当に、それだけのために僕を追っているのですか?
では僕が君の感情に、名前をつけてあげましょうか?」


トンファーをいなされて、胸に指を突き付けられる。

左胸、心臓の位置。


「それはね、
執着と言うんですよ

何故僕を追っているかなんて、
本当はどうでも良いんです。

君が僕を追い回している…と言う事実があればね」


彼の腕を掴もうと手を伸ばしたけれど、
僕の手から逃げて行った。
彼はいつも掴み所がない。

まるで霧のように


「君を、捕まえたい
捕まえたら気がすむまで殴り付けるのに」

「おや、怖い
では、僕は逃げ続けましょう。
君が追い続けるのをやめるまで、
何時までも」


10年経っても変わらない
この感情は、いつ変わるのだろう。

もしかしたら、死ぬまで変わらないかも知れない。


「じゃあ、君は一生逃げないとね?」

「おやおや、それは困りますね」


この感情に名前なんていらない。
欲しいのは君の骸。


「君の死は僕が見届けてあげる」


僕だって死ぬまで追い掛けるつもりはない。
さっさと捕まえて棺桶の中に入れてあげる。


「君を殺すのは、僕だ」
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