小説

□風邪2
1ページ/2ページ

風邪 の続きで下品。


昨日は面白いものが見れた。
ずっと体調悪そうでいつもの余裕がかけらも無かった向井。
大方静かさでも求めてブルペンにいったんだろうけど、雨が酷くて練習中止。
やさしー先輩の俺は気にして見に行ってやった。

そしたらまあどーゆう経緯か。
あのマイペースな降谷が向井に傘をさしてやってるのだから、それはもう
何か保護者な気持ちで微笑ましくもなったりしたわけで。

向井みないなタイプは降谷のこと苦手そうだったけど、心配要らないか。

しかも夕方にはなにやらほくほくした顔で向井の部屋から出てくる降谷の姿も目撃したし。

多分チームメイトにそうゆうことをしてやる経験が無かったから嬉しかったんだろうか。

でまあその向井だけども。
だいぶ酷くこじらせて39度越えしてるそうだ。
朝の時点で倒れかけてて流石に強制ストップされていた。
普段があんなかんじなだけあって弱ってる姿は可愛げがあっていいのだけども、
流石に弱りすぎていて痛々しくもなる。

うん、ここは優しい先輩としてお見舞いにでも行くか。

一人で行くのもなんなので倉持を誘って、向井の部屋へ。
「おーい向井」
「見舞いに来てやたぞー!」

と、そこには。

「うるさいですよ倉持先輩!病人がいるんですよびょーにんが!」

と一番やかましく騒ぐ沢村。
ぺこりと頭を下げる弟君。
そして、ベットに多分寝そべっているであろう向井の顔を覗き込むようにしている降谷。
どうやら先客がいたようだ。

「向井ー大丈夫かお前ー」
倉持が降谷の横に行って向井の顔を覗き込む。
俺もそれに続いて、倉持の隣に並んだ。
「・・・・・い、じょうぶ・・・す」
息も絶え絶えに呟く。
敬語や挨拶や先輩に対しての最低限のことはするタイプだけど、そんなことをやる余裕は無いようだ。

うわーだいぶしんどそー。
声になってないっていうね。

ベットの上の向井は野球部の中では圧倒的に色白な顔をほんのり赤くしていて、
首筋には汗がにじんで髪がはりついている。
首のに巻くタイプの保冷剤はもうほとんど溶けているという状況。
「熱、まだ39度きってなくて」
と心配そうに弟君。
沢村が、保冷剤取ってくる!と言って部屋を出た。
顔を覗き込めばこんなとこ見られたくなかった、と言う心の声が
聞こえてきそうなくらいに分かりやすい表情。
口をきゅっと結んで、眉をひそめてふうと息を吐く。
「倉持先輩・・・・ちょっと」
降谷が倉持の横から、タオルをもった手を差し込む。
そしてちょん、ちょん。
向井の首の汗を拭き取った。
「−−〜〜〜・・・・!!」
向井は更に顔を赤くし、ああホント見られたくなかったと言わんばかりに
「どーも」とだけ言って顔を背けた。

普段の向井なら確実拒否だろうその行為。
しかもそれをあの降谷がやると威力倍増。
「−ーぷっ」

思わず笑ってしまった。
向井が顔をこちらにちら、と向け睨んでいるけど。
そこで弟君が俺と倉持に「さっきからずっとあんな感じで」と耳打ち。
なるほどそれで向井も諦めたってわけか、はっはっは。

「・・・・寒く、ない?」
こく、と頷くだけの向井。
倉持は肩を震わせ笑いをこらえているし、弟君もふふ、と呆れたような笑み。

どんな羞恥プレイだこれ。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ