book2
□月灯り
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小さくすすり泣くその声に、空は目を覚ました。
*月灯り
まるで自分を守るかのように丸まった背中を見つめる。ベッドの端っこで、小さくなるその身体を抱きしめた。ピクリとその背中が揺れる。
「ナオ…ナオ……」
「くー、ちゃ……?」
ぽろぽろと涙を流した直が、うっすらと目を開けた。濡れた頬をそっと拭って、背中を擦る。直の大きな目が空を写す。細く頼りないその腕が、空に向かって伸ばされた。
「くーちゃ……くーちゃん!!」
抱きついてきたその身体を抱きとめると、直はまた泣き始めた。今度は、声をあげて。
小さな子供のように泣き続ける直を、いつもより小さく見えるその頭を包み込む。
ふるえる背中をそっと撫でた。
「だいじょうぶ、大丈夫だから……」
あやすように耳元で囁いて、長いその髪をゆっくりと撫でる。
やがて落ち着いてきた直は、空を抱きしめる力をぎゅっと強めた。
「怖いゆめでも見たか?」
真っ赤に腫らした目に、空が映りこんだ。
熱を持ったその瞼に、空は唇を寄せる。そのまま唇は涙の溜まった眦に降りて、その涙を掬う。不安げだった大きな瞳が、くすぐったそうに少しだけ細くなる。
「…ン、ぅん……こわい、ゆ、め…」
「そうか……でも、もう怖くないだろ?」
「そ、だね……」
微笑んだ直に、空は口付けた。
暗い部屋の中。
でも、ここはとてもあたたかい。
カーテンの隙間から、まんまるな月が覗いていた。
あたたかなベッドの中で、ゆるゆると眠気に誘われる。
「…く、ちゃ……」
「おやすみ、ナオ……」
ふわりと包まれるその感覚に、直の意識はゆっくりと沈んでいった。
end
好きしょ4の直後ぐらいですかね?
「inside of darkness」の続きみたいなイメージです。
あまい空直大好きです。空がでろんでろんに直を甘やかす感じとか……
そんな空直読みたいので、誰か書いてください!!
同時に一緒に好きしょ語ってくる人募集中☆