book2

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※学パロ
(1) と同じ設定。
きっと、こっちのが先です。





「また、告白されたの?」

「ん? ああ、まあ断ったけど」



アスランが放課後に呼び出されて告白なんてことは、日常茶飯事。多いときには3,4人に一日で告白されているのを見た事がある。
容姿端麗で家柄もよく、成績は常に上位なのだから、それは仕方がないことなのだろう。


「ふーん、そう」


ベッドに寝転びながら、雑誌をめくる。新しく出ていたゲーム雑誌は、前のものとあまり代わり映えがなくて面白くなかった。
アスランはすたすたとこちらに来ると、ベッドに腰掛けた。スプリングがゆっくりと軋む。傾いたベッドの所為で、コロンとアスランのほうへ転がった。


「なに、面白い?」

「べつに…あんまり」


覗き込んだアスランの横顔がとても近くにあった。藍色の髪がさらりと流れる。いつのまにか、こんなにも大人っぽくなってなんだか知らない人みたいだった。


「あ、そういえば。キラ、今日授業中寝てただろ」

「う……ね、てない」

「嘘つき」

「……だって、あの先生の話聞いてると眠くなるもん」


べつに勉強は嫌いじゃないけれど、単調な授業は眠けを誘う。理由はそれだけではないのだけれど。


「どうせ昨日遅くまで起きてたんだろ?」


ぷいとそっぽを向く。ああ、また子供っぽいと思われる。
でも、その理由の張本人にそんなこと言われたくない。

放課後に女の子に告白されているのを偶然見てしまった所為なのだから。直接その現場に居合わせたことが初めてで、びっくりしただけ。
その子がとても可愛くて、頬を真っ赤に染める姿が可憐だった。ああこういう子と並ぶことって、きっとお似合いって言うんだろうなって思った。


「……ちょっとぐらいいいじゃない」

「テストの時泣きついても知らないぞ」

「いいもん。自分で何とかする」


コロンと転がって、ベッドの端っこへ。近くにあったクッションに顔を突っ込んだ。
視界が真っ暗になって、なんだか落ち着いた。


「そう、じゃあコレはいらないんだな?」


ぱしんと頭に何かが乗った。頭がひんやりと冷たくなる。手で確かめると、ノートらしきもの。
顔を上げて、それを受け取った。ぺらぺらと捲ると、あの先生の授業なんかよりもずっと分かりやすく、ノートはまとめられていた。


「……いる」


起き上がってアスランのほうを見ると、微妙に口元が笑っていた。

笑いたかったら笑えばいいのに。

クッションを投げつける。至近距離にもかかわらず、やすやすと止められてしまった。


「ズルッ!!」

「何がずるいんだよ」

「アスランのバーカ。ハゲ!!」

「ちょ!? 俺はハゲてない!!」


思いっきりクッションを投げられた。手でガードすると今度はドンと押し倒される。天井と、アスランの顔が見えた。


「なんだよー」

「べつに、キラが悪い」

「僕は悪くない!!」


クッションを思いっきりアスランの顔に押し付けた。間の抜けた声が聞こえる。あはははと笑ったら、思いっきり擽られた。


「わ、ちょっと!? やめっ、ぎゃあ、あはははは!!」

「謝ったらやめてやるよ」

「ご、ごめんっ! ごめんってば!!!」


笑いすぎて酸欠になりそうになって、おまけに涙まで流れていた。
翡翠色の目も笑っていた。

あ、昔と同じだ。

その顔は、幼い頃に遊んでいた時のままだった。


「ねえ、もしかして気にしてる?」

「なにが?」

「髪の毛」


頭を叩かれる。パーンとなんだかとってもいい音がした。


「あたま悪くなったら、アスランの所為だ」

「自業自得だろ」


意地悪そうな顔。
きっと、あの子はこんな顔は知らないんだろうな。


少しの優越感と、気付かないようにしていた感情が交差する。



「アスランなんてハゲてしまえー」



また叩かれた。



本当に、

本当に僕は―――






“好きかも、しれない”






だけど、悔しいから絶対言わない。






end


最近のキラさん、なぜかツンデレ(?)気味です。
ただのバカップルですね……でもまだつき合ってません!!
まわりがいい加減付き合えよと思っているぐらいですね

時間軸ばらばらで申し訳ないですが、前と同じ設定です。
何気なくシリーズ化し始めた……






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