book3

□しあわせのかたち
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気付いたら、誕生日を迎えていた。
携帯のディスプレイは、5月30日0:00を写し出す。





*しあわせのかたち




仲の良い友達や仕事仲間から、おめでとうのメールが届いた。最近始めたツイッターにも、多くのファンからおめでとうのツイートを貰う。ベッドの上で寝転びながら、それらを見ているとひょいと携帯が奪われた。


「何見てるの?」

「あ、石田さん」


ベッドの端に腰掛けた石田さんの重みでマットが傾く。ころりと寝返りを打って近づくと、石田さんは携帯の画面を見ていた。お風呂に入ってきたばかりで、髪が濡れている。首にかけたタオルで髪を拭きながら、途端にハッとした顔になる。


「しまった、もうなってた」

「何がです?」

「だから、キミの誕生日」

「あーそうですね」


ほかほかと温かい腕を捕まえると、同じボディーソープの匂いがした。その匂いがなんとなくくすぐったくて顔を埋めていると、頭にぽんと手が乗る。わしゃわしゃと髪を撫でられて顔を見上げた。


「ごめん」

「なんで、謝るんですか?」

「いや、だから……」


視線を逸らした石田さんの顔は少しだけ赤い。そのまま顔を隠すようにタオルを被ってしまう。ずりずりと腕だけで移動して、顔を覗き込む。石田さんと視線が合ってにいと笑ったら、いきなり顔にタオルを被せられる。そのままタオルを押さえ付けられて、膝の上に沈んだ。


「相変わらずの天然っぷりで……」

「ちょ、苦しっ!」

「男心が分からんやつだ」

「なんですかそれ!?」


足をばたつかせると、手が緩んでタオルが取れた。すぐ近くに石田さんの顔があって、黒い瞳に自分が写り込む。ぺたりと頬に手が当てられて、額に口付けられた。


「おめでとうって、最初に言いたかったのに」

「あ、なんだ」

「なんだって、保志くんキミさあ……」

「いいんですよ」


石田さんの腰に抱きつくと、やっぱりとても温かい。触れているだけで、ほっと落ち着く。くすくすと笑ったら、ぽんと頭を叩かれた。


「こら、笑うな」

「だって、なんか可愛い」

「可愛いって……キミに言われてくないよ」

「うへへー」

「ちょ、もしかして酔ってる!?」

「あのくらいじゃ、酔いませーん」


今日は誕生日だからと、手料理を振舞ってくれた。しかも、ケーキまで作ってきてくれて。贅沢すぎるほど、石田さんを独占して。誕生日をこうして一緒に迎えてくれるだけで嬉しいのに、これ以上望むものはない。


「いいんですよ。石田さんが今日、ここにいてくれれば」

「……保志くん」

「幸せですよ、僕は」


起き上がって視線を合わせる。首元に抱きついて、ありがとうを伝えた。

抱きしめ返してくれるその腕があることが、僕にとってはなによりも嬉しい。


「誕生日、おめでとう。俺の傍にいてくれて、ありがと」


少し濡れた冷たい髪が頬に当たって、唇がふさがれた。





同じ日の昼ごろ。

『ぱっぴ〜☆ありがとう!分かった!ぱぴぱぴを目指すよ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆』

ツイッターに届いたおめでとうの返信をしていたら、思いっきり石田さんは不機嫌そうだった。


「あのー…どうしました?」

「うるさい!」


「なんで、いちいちそんな可愛らしい返信してるんだコイツは」という声は残念ながら保志くんには届かない。




End


ぺらっぺらな内容になってしまったorz
なにはともあれ、保志さんお誕生日おめでとうございます!!!

あなたに踊らされてはや十数年……今も変わらず大好きだぁああああああ!!!
そして、ツイッターの可愛らしさに悶えております……あんな可愛い40歳いないぜ!?







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