book3

□苦水に蜂蜜
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お題参考:反転コンタクト



何をされてもいいというわけではない。
だけれども、きみに与えられるものならば許そうとさえてしまう。



*苦水に蜂蜜




キラがザフト軍に捕らえられてから数ヶ月が過ぎた。しかし、どういうわけかいまだにキラはあの部屋にいる。すぐにでも処分されるか、どこかに輸送されるとキラは思っていた。
あの傷もふさがって、跡が少し残るばかり。薄暗い部屋と、拘束されたままの足。じゃらりと足とベッドとを繋ぐ鎖は部屋の中を歩くには不便はない。とはいっても、それほど広い部屋ではないけれど。
アークエンジェルはどうなったのだろう。この閉ざされた空間からは、地球軍の情報は当然ながら、ザフト軍の情報も入ってこない。廊下を通る人の声もあまり聞こえてこないため、情報も集めようがないのだ。
唯一、ここの部屋を訪れるのは、あの日以来アスランだけ。ふらりとやってきては、キラを抱く。アスランは、なにも言わなかった。

その日キラの部屋を訪れたアスランは、いつもと違っていた。やってくるなり組み敷かれ、身体の自由を奪われた。すぐに服は奪われて、手首を縛られる。翡翠色をした目は、キラを見ているはずなのにどこか違うところを見ているようだった。


「あ、すらん?」


キラが呼びかけると、びくりとアスランは肩を揺らす。瞳の中にキラを写すと、何も言わずに抱きしめられた。表情に変化はないはずだけれども、悲しそうな顔に見える。手が拘束されているために、抱き返す事はできない。首筋に顔を埋めると、アスランはキラを引き剥がした。
次に見た宝石のような瞳には、ぎらぎらとしてなにか別のものが宿っているように感じる。
感情を押し殺したようなそんな風にも見えて、キラは戸惑った。視線が外れると、すぐに唇が塞がれた。噛み付くように強引に舌がもぐりこんできて、口内を這い回る。喉の奥まで伸ばされて、苦しくなる。絡め取られた舌先が据われると、ぐりぐりと乳首を揉まれた。痛いほどに押しつぶされて身を捩るが、たいした抵抗にはならない。お互いの唾液が交じり合って、唇の端から零れ落ちる。息継ぎも侭ならない程激しい口付け。滑り落ちた唾液が、ぽたりと顎を伝って落ちた。くぐもった声と水音が部屋の中に響く。乳首が爪で引っかかれて、キラはびくりと肩を震わせる。絡まっていた舌が解かれて、唇が離れていった。


「はぅ、んっ……あっ」


鼻に掛かったその声は、キラ自身も驚くほどに名残惜しそうに響く。アスランは驚いたように一瞬だけ目を見張ると、唇の端を持ち上げた。
引っ掻かれたキラの乳首は、つんと立ち上がって赤みを増している。右側のもう片方も同じように立ち上がり主張していた。アスランの手が左側に伸びる。一度快楽を覚えたそこは、少し触れると待ちわびていたように身体が反応を示す。あ、と声をあげたキラは、慌てて唇を噛み締める。


「感じるのか?」

「……っ!?」


爪で引っ掛けて、痛いくらいに抓る。腰が浮いて、身体が弓なりになる。堪えるようにキラは目を瞑っていた。くすくすと笑うアスランの声が聞こえる。唇がそこによって、ころりと舌で転がされた。指とは違う感覚に、また身体が震える。堪えきれなくなった声が漏れ始める。顔を真っ赤にさせたキラは、目を瞑ったままだった。


「目、開けろよ。キラのここ、触れてもないのにもうこんなだ」


アスランはキラに見せ付けるように、足の間に入り込んで腰を持ち上げた。胸に付くほど脚が折り曲げられて肺が圧迫される。苦しさに思わず目を開いたキラは、その光景に声をあげる。


「あ、やだっ、やぁ!!」

「いや? いやじゃないだろ?」


舐められて唾液で濡れた乳首がぷつんと赤くなり、触れられてないほうも同じように赤く立ち上がって、その先に主張し始めた自身がふるふると震えながら先端から蜜をこぼしていた。アスランがつんと乳首を弾くと、キラのそこが震える。たらたらと零れた先走りが伝って茂みを濡らす。キラは目を見張ったまま、今度は閉じる事ができなくなった。


「淫乱なキラ。もしかして、あっちでも相手がいた?」


アスランの声に弾かれたように反論しかけるが、その声はアスランの手によって遮られた。再び伸ばされたアスランの手には、何か小さなものが握られていて、それが胸に当てられる。つるんとして冷たいそれで乳首を押される。


「…っあぁ! なに、やぁ…ッ、んっ!」

「知り合いに貰ったんだけど、丁度いいからこれで遊んでやるよ」


押し当てられたのは小型のローターで、ぶるぶると振動するそれがキラのそこを刺激する。細かな振動は今まで感じたことのないもの。ぐるぐると円を書くように回されて、キラの口から嬌声が零れる。身体が弓なりになって、自分で押し付けているのにも気付かないほど快楽の波が押し寄せる。膨れ上がったキラ自身もたらたらと蜜をこぼす。零れた蜜が伝って尻の窄みまで届く。それに反応して、ひくつくそこにも波が押し寄せた。


「や、うぅっ、は……あぁ、んぅ!」

「そんなに気持ち良い? なんなら、こっちだけでいけよ」

「やっあぁ、む、りっ……っ!?」


強くローターが押し当てられるが、それだけの刺激では達することはできない。ふるふると首を振るキラに、アスランはもう片方の乳首を食む。吸い上げられて、身体は反応するけれどそれだけではやはり達する事はできなかった。
拘束された手では自身に手を伸ばす事もできない。身体を捻ってその刺激から逃れたくてもアスランからは逃げられない。


「手ぇ、とってぇ、さわっ、ぅ、あぁ!!」

「だめ。ああ、そうだ、なら少し待ってなよ」


アスランはそう言うと、縛っていた手首の紐をベッドの頭に括りつける。手にしていたバイブはそのままテープで固定される。


「ちょ、やだ! まっ、ひやぁっ!?」

「うるさい。少しの間大人しくしてな」


するりとアスランの手がキラの頬を撫でる。ローターの振動を最大にされて、放置される。アスランはそのまま部屋を出て行った。
ローターの振動音と荒い呼吸が部屋に響く。振動をましたそれでも、達する事はできずに身体が疼くばかり。固定された手首が外れないかと試すも、それも無理。だらだらと続く快楽に、乱れた呼吸が苦しい。シーツに自身をこすり付けても、少しの刺激しかもたらされずに、ただ苦しくなるばかり。そのうち、ずんと奥も疼き出す。


「やあ、あぅ、あす…ら…、あぁ」


気付かないうちに、アスランの名前を呼んでいる。閉ざされた扉は、アスランしか開く事ができない。身体を捩って扉に近づこうとしたが、それもできない。くるんと反転した身体は、よりローターを押し付ける。足首にまとわり付いた鎖がじゃらじゃらと鳴る。生理的なものなのか、零れた涙で顔がぐちゃぐちゃになった。このまま放置去れたらと思うと、それだけで恐怖が押し寄せる。押し寄せる快楽と恐怖が均衡して、キラは夢中で名前を呼んだ。


「あぁ……あす、あすら、…ひぅ、やぁ……っ!!」


しばらくすると、扉は開いた。待ちわびたように、キラはアスランの名前を呼んだ。ぐいぐいと手首を引っ張ったことで、食い込んでいたそこが傷になる。ぼろぼろと涙をこぼすキラに、アスランは目を見張るとすぐにベッドに腰を下ろした。


「あすぅ、あす、ら……あ……らっ……」


びくびくと痙攣する身体に、アスランは手を伸ばす。触れられたのは涙でぐちゃぐちゃになった頬。拭うように撫でられて、キラはほっと息を付く。アスランの指が唇に触れる。触れる手はとても優しく感じられる。アスランの顔は前髪に隠れてキラには見えなかった。


「あす…ら、ん?」

「……ほら、キラにもう一つプレゼント」


ぞくりと優しい声で、アスランはそう言うとキラの前に少し大きめのバイブを取り出す。口角の上がった唇で、アスランはそのバイブをキラの口の中に押し込んだ。ぐりぐりと抉られて唾液が伝うと、すぐにそれは離れていく。唾液に濡れたバイブに、びくりと肩を揺らす。


「いけないんだろ? 手伝ってやるよ」

「や、やだぁ、やめっ!?」


ばたばたと脚で暴れると、パンと頬が叩かれた。先ほどと同じように、ぐいと脚を曲げられて、アスランはその間に入り込んでくる。ぴたりとそれが奥の窄みに押し付けられる。ひくりと反応したそれに、アスランはゆっくりとそこを拓いていく。身を引き裂かれるような痛みに、キラは叫び声をあげる。先端がすべて埋まって、するりと中が押し広げられる。その圧迫感にキラは身を捩った。


「ああ、いっ、あっ……ん、――ッ!?」

「ほら、全部入った」


耳元で囁かれる。唇がふさがれて、触れるだけで離れていく。かちりとスイッチが入ると、ナカに収まったそれが動き始めた。前立腺に当たったそこがスイングを繰り返えす。一気に押し寄せる快楽に、キラはただ声をあげる。無意識に束縛された腕を振り上げようとして、手首が擦れる。そのうち血が滲み始めて、アスランは両手を縛ったまま、ベッドから紐を外した。


「あっ、あぁああ、はぅ、あぁ……」


頭の中が真白になって、キラはアスランに向って腕を伸ばす。縛られたままでは、伸ばす事しかできずに、手が空を彷徨う。キラの手がアスランの髪に伸びて、くんと藍色の髪が引かれた。
アスランが視線を向けると、快楽に支配されて潤んだ瞳がこちらを見ていた。紫水晶のような目にたまった涙が、零れ出す。涙でぐちゃぐちゃな顔で、乱れた呼吸に微かに名前を呼ばれる。たらたらと蜜をこぼすそこは、もう既に限界まできている。押しつぶされていたローターと、濡れた赤い乳首。溢れ出た蜜が窄みまで零れ、その窄みからもたらたらと蜜が零れていた。息を飲むその光景に、アスランは堪らずに自身を取り出す。キラの痴態に既に首をもたげたそこが天を向く。アスランはキラのそこを塞いでいるバイブを引き抜いて、自身を突き刺した。


「ふぅ、あぅ、あすっ……あぁああッ!!」

「っ、キラっ!!」


アスランのそこがキラの中におさまった瞬間に、キラは一際高く嬌声を上げてすぐに達してしまった。キラ自身から飛び散った精液がキラの腹と顔そして、アスランの服まで汚す。それでも快楽が続いた分だけ、だらだらと射精が続く。その間にもずんと腰が推し進められて、再び自身が首をもたげる。ぐいと脚をさらに割られて、より奥にそれが突き刺さる。
ぱんぱんとぶつかる音と水音と、それよりも大きくキラは喘いだ。


「あぁ、んっ、はぁ……っあす、ら…っ!」


アスランに向って伸びた手が再び空をきる。何度も繰り返すその仕草にアスランは、キラの手首を解いた。すぐにキラはアスランに抱きついてくる。よりお互いが近くなった分、キラの中のアスランが大きさをます。突き上げられる振動に、キラはぎゅうと背中に手を回した。キラの顔に飛び散った白濁をアスランは舐めとって、そのまま唇を塞ぐ。苦いそれはすぐに味がなくなって、唾液が唇の端を伝う。


「ひぃ、あぁ…っ、あす、おくぅ…はぅ、イッ――!!」

「……ッ、キラっ!」


背中を起こされて、さらに奥まで突き刺さると、キラ自身が再びはじける。きゅうきゅうとキラの中が締め付けられて、アスランは果てた。
一瞬だけ意識を飛ばしたキラが再び意識を取り戻すと、すでにアスランはキラの中から出て行っていた。そこにあった圧迫感が消えてキラは物足りなさを感じる。触れられる頬の感触に、キラはうっすらと目を開けた。こちらを見ている翡翠の瞳は、愛しんでいるかのように見える。するするとなんども撫でられて、アスランはキラの名前を呟いた。


「キラ。アークエンジェルが堕ちたよ……――んな、キラ……」


途切れ途切れに聞こえたその声に、キラは再び意識を落とした。
キラの中に納まりきらなかった精液が、ひくひくと収縮を繰り返すそこからたらりと零れた。
縛られて赤い痕が付いた手首にアスランは唇を落とす。そしてキラの唇を塞いだ。
微かにその唇は震えていた。



End


……tkb責めです!!←
せっかくなら、いまいちザラってくれなかったアスランの続きにして、もっと黒ザラを目指そう。と思ったのですが、やっぱり、中途半端にしかならなかったι
何でしょうねこれ……せっかく、tkb責めキャホィとツイッターで騒いでたのに←
こんなんでも、感想は随時お待ちしております←←




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