ｂａｓａｒａ
□後日談〜政宗と佐助〜
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後日談。〜政宗と佐助〜
「……という事がこの間来た時あったんだ」
「…はぁ。まぁ、別にうちの旦那の団子好きは、今に始まった事じゃないんだけどさ…」
またも米沢城に遊びに(あ、でも公務が本命で)来た旦那に付き添ってる俺様なんだけど……。
ちょっと旦那、公務はー。お館様に言われた文、ちゃんと竜の旦那に渡したのかな。俺様凄く心配なんだけど。だってちょっと抜けてるじゃん、うちの旦那。もう心配で心配で。
その当の旦那は、というと、竜の右目…片倉小十郎の所にひっついてる。
甲斐から来るって知ったら、どうやらまた団子作ってくれてるらしいんだよね…。右目の旦那。
指示出したのは、今俺様の目の前にいるこの人なんだろうけど。本当旦那の事好きだよね、この人も。
で。今の俺様の状況は、といえば。
何故か。本当にどういう訳か。
この間縁側で団子食べていた時の一連の状況を竜の旦那から聞かされてる最中…。
……ねぇ、何で…？
そんな俺様の心情を知ってか知らずか、語られている真田の旦那と犬話！
「何つーか、耳と尻尾がありそうでな」
…うん、まぁ、長く一つに括られた後ろ髪は尻尾に見えなくもないし、いつも、お館様ー、って叫んで駆けていく旦那の姿は確かに忠犬っぽい。
お館様との殴り愛(誤字じゃないよ、だってあれで忠誠愛を量ってるようなモンじゃん？)だって、犬とご主人様でじゃれてるように見えなくもないし。まぁその度に屋敷とか壁とかが破壊されるのは、じゃれ合いと言えるか分かんないけどさ。今月入ってからお館様に吹っ飛ばされた衝撃で一体何枚障子壊したと思ってんの。それでも直すのはいつも俺様だし。苦労性なのは分かってるよ。本当、給料上げてくんないかな、旦那。これもう忍の仕事じゃないし。ただの旦那の世話と後始末だからね！
っと、話が逸れた。まぁ普段だって、団子食べてる時とか嬉しい時なんかは、ぱたぱたと尻尾振ってそうだし、落ち込んでいる時とか悲しい時はしゅん、と耳が垂れ下がってる姿が容易に想像できちゃうし。
その外見的な姿が、っていうのもあるかもしれないけど、むしろ旦那のそもそも行動とか性質が犬っぽい気もする。
竜の旦那の言いたい事が分からなくもない。…が。
「武士としてそれもどーなのよ、旦那…」
何か聞いてて悲しくなってきたよ…。
それじゃあ、『旦那と犬の』にまつわる話じゃなくて、『旦那＝犬』の話じゃないのさ。
俺様そんな子に育てた覚え無いんだけどなー…。
一体どこで育て方間違えたんだろう。
……俺様が『育て方』間違えたんじゃなくて、旦那が『育ち方』間違えた可能性もあるよね。はぁ。
そもそも、甘い物は別だなんて…どこの娘の言い分だよ…。
…いや、嬉しそうに団子食ってる時とかのその行動は充分可愛いんだけどさ…！
見てて和むけど！けどさ！！
「あいつ、絶対犬属性だろうな」
…あぁ、うん。やっぱり。
俺様もそう思う。猫属性では、間違っても無いよね。
「犬ほど賢くないけどねー」
犬に団子取られて怒ってる、ってのも、同族への敵対心って感じに見て取れるし。
竜の旦那の言いたい事は、ものすっごくよく解る…。
「アイツ見てると、つい頭撫でたくなるんだよな。抑えるのに苦労するぜ」
……でも結局、辿り着くのは惚気なのね。
俺様もうお腹いっぱいなんだけど。どれだけ惚気聞かされたらいいのさ。
「…………犬っぽいのは旦那だから、って事で納得しといてよ」
「I see」
団子云々だけならまだいいけど、惚気られるのはなー……。ちょっと勘弁したい…。
だって俺様その時奥州に居たといえば居たけど、城には居なかったし。城下に居たから右目の旦那とも話してないし。話す内容なんて、『互いの上司の自由さ。無鉄砲さ』がほとんどだけど。…あ、何か悲しい。
誰か、戻って来ないかな。ここ、俺様一人で話聞いてるの、色々辛いよ。
幸村と小十郎が団子と茶を持ってこの場所に来るのは、もう少し後の事……。
そしてさらにその少し後。
『以前米沢城に来た際に、政宗が某に自分の分の団子をくれたのだ！』と(犬に盗られた反応云々は、多少脚色されていて違ったけど)を、旦那本人からも聞く事になった。
……あーもう！お互い抱いてる感情は同じなんだから、くっつくんだったらさっさとくっついてくれって！頼むから。
END
あとがき
『勿忘草色の空』の後日談です。
まったく幸村が出てきませんが…ι
佐助の一人語りチック＆ギャグになりました。後日談なので文章軽め。
政宗様とオカンが登場…したのはいいんですが…相変わらずキャラが掴めてない、ぐだぐだ話になってしまいました…。オカン、助けて。
…おそらく、この話で一番の被害を被ってるのは同じ話を２回も聞かされた佐助と、団子食べただけで幸村に恨まれたワンコだと思う。
ごめんよ、佐助m(__;)m