basara
□若いって大切
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唐突に学パロ。
しかも、みんな学年一緒。
「やっと、着いたでござるぅうう」
ばたんと、幸村は畳の上に倒れこんだ。
*若いって大切
待ちに待った修学旅行。行き先は京都と、少しばかり期待はずれだったのだが、クラスメイトとまわる観光地は、また違って見えて楽しかった。京都市内をぐるぐると巡って、お土産もたくさん買って。夜に旅館に着くころには、幸村の両手には持てきれないほどに袋が増えていた。
「おまえ、買いすぎ」
「うぅ……しかし、どれも美味しそうで……」
政宗は、倒れこんだ幸村の隣に腰を下ろした。
行く先々でお菓子やら漬物やらと買い込んできた幸村の周りには、たくさんの袋が散らばっている。
「お、これなんかうまそう」
「ダメでござる!!」
覗き込んだ袋の中の唐辛子煎餅に手を伸ばすと、すごい勢いで引っ手繰られた。どんだけ食い意地はってるんだと、政宗はため息をつく。
旅館の部屋わりは、くじによって決められた。二人部屋と三人部屋があったのだが、何が悲しくて野郎と一緒の部屋にならなければならないのだと、政宗は細工をした。その所為もあって、みごと幸村と同じ部屋になった。
無防備に寝っころがっている幸村に近づく。
「なあ、ゆき」
「なんでござる?」
「俺と二人っきりって自覚ある?」
政宗は幸村の上に圧し掛かると、首筋に顔を埋めた。健康的に焼けた肌を、ちろりと舐める。びくんと肩が反応した。
「な、なにがでござる?」
「ふーん……」
分かっているのかいないのか、幸村はころりと転がって政宗から逃げる。突き当たった壁にごんとぶつかった。
「いたい」
「何やってる」
ぶつけた背中を擦ると幸村は、政宗の腰にくっ付いてきた。幸村はバタバタと足を動かす。
「こどもか」
「へへー」
テンションが上がりきっている幸村に何を言っても無駄そうだ。
そう判断した政宗は、へばりついた幸村の頭をがしがしと撫でる。幸村の薄い茶色の目がこちらを向いた。
「楽しいでござるー」
「ああ、そうか」
「政宗どのは?」
「まあまあだな」
京都の神社仏閣は、どこも訪れた事あるところばかり。おまけに観光地がメインのせいで、人がすごかった。清水あたりは地獄かと思うほど。しかも、それをお構いナシにあっちこっち幸村に引っ張りまわされて、バスの中はいつもぐったりだった。本当は、修学旅行すらめんどくさいと思ったいたのだが。きっと、幸村がいなかったら絶対にサボっていただろう。
「それは、良かったでござるよ」
幸村は起き上がって、だらりと政宗にもたれ掛かる。肩に頭を乗せると、長くした前髪から眼帯が見えた。
幼い頃になくしたという眼球。これが原因で家庭も政宗を取り巻く環境もかなりよくないものだった。高校に入ったばかりの頃は、授業すらまともに出ることもなく、遊んでいたらしい。
幸村は政宗の頭を撫でた。
「なんだよ」
「いえ、別になにもござらん」
政宗はぎゅうと幸村を抱きしめた。一房だけ長い髪を手に取って、幸村の顔をくすぐる。幸村は身じろいだが、やめることなく首筋をくすぐった。
「やめてくだされ!」
「やだ」
ばたばたと暴れ出した幸村を無視して、衿元を広がる。鎖骨あたりに手を伸ばした瞬間に、ばふっと頭に何かが当たった。
「おいコラ、何イチャツイテやがる……」
「さ、さすけ!?」
「はーい、俺らもいるよー」
ぞろぞろと部屋の中に入ってきたのは、佐助、慶次、元親だった。ちなみに、外に元就もいるらしい。
すぐそばに落ちていた枕が、どうやらさっきの衝撃だったらしい。まだ抱きしめたままだった幸村は見るからに顔を真っ赤にさせている。
「ウチの子放せ!?」
「おかんかお前は」
枕を拾って、佐助に向かって投げる。すると、また枕が飛んできた。バシンと枕が壁に当たる。にやにやと元親が笑っている。
「……てめ、何しやがる」
「あ? 修学旅行といえばこれだろ!?」
元親は枕を指さす。ちなみに、元親たちの部屋は5つほど離れたところにあって、順番に片っ端から部屋の住人を倒してきたらしい。
「は、アホらし。不戦勝でいいから、てめぇらか―――」
政宗の横を通り過ぎた枕は、かなりの速度で壁に叩きつけられた。確実に顔面を狙っている。にいと笑った慶次に、ぶちんと何かが切れた。
「You die!!」
政宗が思いっきり投げつけたのを合図に枕が飛び交う。それもかなりのスピードで。座り込んでいた幸村は、当たらないようにそのばから抜け出そうと試みるが、ばしんと頭に枕がヒットして、びたんと畳に倒れこんだ。
「ごめんねーゆきちゃ――ッ!?」
「慶次どのヒドイでござる!!」
「よくも、ゆきをやりやがったなこの野郎」
顔面狙って投げられた枕は、見事に慶次にヒットする。
「はい、慶次アウトー」
「え、これ顔面あたったらアウトなのか!?」
「ちょ、ちかちゃんそれ知らずにやってたの!?」
佐助は呆れて元親に枕を投げた。
そもそも、枕投げにルールが存在するのかも怪しい。というもっともな意見がちらりと頭を過ぎるが、政宗は元親に向かった枕を投げた。後頭部に見事に的中する。
「てめ、しゃべってる最中に投げるな。つか、佐助。俺見方だから!!」
「あは。俺さま、間違えたー」
ぺろりと舌を出した佐助に、すかさず政宗は投げつけた。しかし、ひらりと佐助はそれをかわす。バンと襖に枕が当たった。
「いい加減にしろ、てめえらァアアアアア!!!」
スパーンと襖が開く。その声に、ぴたりと動きが止まる。
「げ、」
「あ、先生……」
普段から強面の顔をより怖くした小十郎が仁王立ちになっていた。
このあと、こっぴどく叱られてたのは言うまでもない。
End
ごめん、こんなのになっちゃったorz
昨日、ぷっかちゃんにネタだしして貰いましたが……ごめんなさい(スライディング土下座
せっかく盛り上がったのに、なんかこんなんになっちゃたよ
なんか途中からよく分からなくなりました。
はは、所詮は柚那の文なんてこんなもん(`・ω・´)キリッ←←