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□名前を呼んで
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身体が熱い。
熱が、総士から与えられる熱が身体を支配する。

総士が動くたび。
身体が貫かれるたび。

痛いはずの感覚は、快楽にしか感じられない。


「あ…ンッ…はぁ」


互いの荒い呼吸だけ。

総士の顔は長い髪に隠れて表情が分からなかった。
どんな顔をしているのだろうか。

何も話さない総士が気になって、一騎は手を伸ばす。
だが、手は空を掴むばかりで何もつかめない。


恥ずかしい水音だけが、耳を刺激する。


「そぉし……」

いくら呼んでも総士は何も話さない。ただ一騎を煽るように腰を進めていく。


「やだ……やぁ、そぉ…し」


顔を上げた総士と目が合う。
いつもと変わらない涼しげな顔をしていた。
乱れた浅ましい姿を軽蔑しているようにも一騎には見えた。
まるで一方通行のように一騎だけが総士を求めているように感じる。


「やっ……よ!!…呼べ、よ……なまえ……そぅし、、」


涙が頬を伝った。

「か、ずき……」


少し驚いた顔をした総士の手が涙を拭う。
一騎の黒い髪を撫でると、抱き寄せた。


「ひゃ…あぅ……」


先程よりも深く深く総士を感じた。
総士の顔が見える。
朱が差した頬が一騎を見た。

びくびくと一騎自身が反応する。
総士との間で張り詰めた一騎自身は、刺激を求めていた。
先走りがあふれ出して、一騎の腹を濡らす。

総士は額に張り付いた一騎の髪に触れる。


「そぅ…し」


停止された刺激が苦しくて、助けを求めるような声。


「大丈夫か?」

「ん……へいき、だから……」


ぎゅっと総士を抱きしめる。
再び始まった挿入に、一騎は嬌声を上げた。


「そ…し、そう、しぃ…なま、え!」

「か、ずきッ!!」



「あっ、あぁ、、、ッ!!」


最奥に総士を感じた。
どくどくと欲望が流れ出す。

白濁が一騎を汚す。


「そ、ぅし……」


お互いを抱きしめて口付けた。
熱い。

こんなにも唇が熱い。






一騎の中から総士自身を抜き出す。
それすらも感じるのか、一騎の足がびくんと反応した。
総士を受け入れていた穴から、白濁が零れた。


「……なまえ」


整わない呼吸で一騎は言う。
一騎の腕が伸ばされた。


「な、まえ。呼べ…よ」


総士はその手を取った。
ふて腐れたような一樹の顔を撫でる。


「総士……」

「名前なら、いくらでも呼んでやるさ」


赤く色付いた唇に触れる。
口呼吸していたからか、少しカサついていた。


「一騎」

「もっと、」

「一騎、一騎」


「もっと、呼べよ」


「ずっと、呼んでやるさ」



一騎の言葉を飲み込むように口付けた。




End



ただヤってるだけの話。
総士さん、余裕なくて話さなかっただけです。
名前呼ばれてイク一騎さんでした。

嗚呼、もっと文才が欲しい。






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