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□気づいて欲しい
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ダンッと壁に押しつけられた一騎は目を見開いた。

無表情な総士が一騎を見ていた。
押しつけられた腕が痛い。両手が頭の上でまとめられて、壁に縫われている。


「そぉ……」


一騎が発した言葉は、総士によって塞がれた。

噛みつくような口づけ。


振り解こうにも抵抗できない。
息の仕方を忘れたように、呼吸が出来ない。
途中で離れても、すぐにまた貪られる。

我が物顔で動き回る舌が一騎を追いつめる。
飲みきれなくなった互いの唾液が零れて顎を伝う。


かくんと、足に力が入らなくなって、ずり落ちるように床に崩れた。
酸素を求めて、呼吸が速くなる。

力が入らなくなった一騎を軽蔑した目が貫く。

伸ばされた手にびくりと一騎の肩が揺れる。

はぎ取られるように服が脱がされ、ひんやりとした総士の手が肌に触れる。



「やっ、やめっ!! そ、、しっ!!!」


ぐったりと力の入らない身体に総士自身が入り込んでくる。

苦しい。

何故、どうして、、、


疑問だけが駆けめぐる。


「あ…っん。いた…いたいッ!!」


引き裂かれるような痛みが全身を駆けめぐる。
慣らしてもいないそこは、総士を阻むように閉ざされていた。



「いッ!? あッ、やぁ!!!」

それでも無理矢理押し入ってくる楔が身体を突き刺す。
腹の中を抉られているような感覚が襲う。

今こんなに乱暴に身体を開かれたことはなかった。
数えるほどしか経験はないが、一騎の身体を気遣ってくれていた気がする。

突然のことに頭がついて行かない。

一方的な行為。
まるで総士ではない人に犯されている錯覚すら起こしそうだった。


頭と気持ちがついて行かないまま、身体が揺さぶられる。
総士を受け入れた箇所がじんじんと痛み出す。
裂けて血が出ているのかもしれない。



「いッ……いや、やぁ! そぅしッ!!」


総士の腕を掴んだ。
びくりとその腕が反応する。
潤んだ瞳から溢れた涙がこぼれ落ちる。
それに関を切ったように次から次へ流れ落ちた。



「か、ず、き……」


総士はそっと頬を撫でた。温かい手が涙を拭う。



「そ……し、?」


辛そうな顔。
痛いのは一騎の方なのに。

「すまない……」

「そぅし…」


握っていた手を開いて、一騎は総士の髪に手を伸ばした。
サラサラと顔にかかった総士の髪はくすぐったい。


「いい……」

「一騎?」

「俺…総士にだったら、何されても、、良いから」


潤んだ瞳から涙が一筋流れていった。
優しい顔。


「一騎……」

「いいよ……きて、」


広げられた腕に総士は包まれた。

温かく優しい腕。

こんなにも酷いことをしているのに、それすらも一騎は受け入れようとしていた。


「ありがとう」

「ん……いいよ総士」



合図するように一騎は総士の髪を掴んだ。
サラサラと流れる総士の髪を遊ぶように握る。


「はッ…ンッ…あ、あぁ!! 」


ゆっくりと開かれていく身体は、つらさも変わらないはず。


「あぁ…ンッ…そぅし、」


それでも、満たされていく。

一つになる。

まるで、互いの存在がなくなっていくかのように。


「一騎……好きだ」

「……おれ、も」


満たされていく。





end


やっぱり、一騎の嫌がることはできない総士さんと、なんでも受け入れてしまう一騎さん

しか想像できないヽ(゜▽、゜)ノ

無茶ばかりする一騎に苛立ちをぶつけてしまうんです。
皆城さんだってまだまだ子供ですからね←←

実は、「あたたかい」の別バージョンだったりwww
擬人化して遊んでたときに派生ですwwwwww
充電器×携帯にするか、いなり寿司にするか←←←


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