book

□無邪気な笑顔
1ページ/1ページ


敵の襲撃を告げるサイレンとともにやってきたのは、思ってもいなかったものだった。


「そーしぃいいい!!!」



満面の笑みで現れた少年。フェストゥムとともに再びこの島にやってきたのは、あの来主だった。


「総士久しぶりだね!!」


フェストゥムから降りた来主は、ぽかんとしている総士に抱きついた。

同年代の少年のようだが、全く人と異なる存在。
無邪気に笑っているが、人類の敵。


「あれ、どうしたの?」


何の反応もない総士を不思議に思って、来主は首を傾げた。


「何故お前が……」


来主の後ろにいるフェストゥム達はこちらを攻撃してくる様子はない。
総士の後ろには、戦闘に備えてファフナーが待機していた。
いつでも攻撃できるように。



「だって、総士に会いたかったから!!」



敵意のない笑顔。
あのとき一騎を通して見ていたままの姿。

いくら敵意がなさそうに見えても、油断ならない。

来主はくすくすと笑った。


「あの子たちは君たちを攻撃しないよ。だから、総士の後ろのあれを下がらせて」

「……信用できない」

「だよね……だから言ったじゃないかー!!」


来主は後ろを振り返った。金色に輝くフェストゥムに向かって来主は言葉を交わす。


「こんなにいっぱいで押し掛けたら、みんな怖がっちゃうだろ………そうだけど……だって!!」


フェストゥムと会話をしているのは分かるが、何を話しているのか全く分からない。
フェストゥムに近い存在になったとはいえ、意志疎通が出来るとは思えなかった。


「もう!! 俺だってもう一人前なんだよ!!」


一人で怒っている来主に、緊張感がなくなってくる。
まるで子供の一人遊びを見ているようだった。


「総士!!」


一騎の声が聞こえた。
アルヴィスの制服を着た一騎が駆け込んでくる。


「あ、一騎だぁ!?」

「来主……おまえ、何しに来たんだ」

「もう、一騎までひどいよー俺は君たちに会いに来たんだよ」


一騎と総士の手を取って、大きく振った。
来主の素早さに一騎は目を丸くする。
来主の目はキラキラとしていて害があるようには思えない。


「信じて良いんだな?」

「もちろん!!」


大きく頷いた来主に、一騎は息を吐いた。


「分かったよ」

「一騎!?」

「ありがとー!! やっぱり一騎優しいね」


ぎゅうと抱きついた来主に一騎はおろおろとしていた。
なんだか心なしか、フェストゥム達も嬉しそうにしているように見えるのは気のせいだろうか。
総士は複雑そうに眉間に皺を寄せた。


「それじゃあ、今日からよろしくね!!」


来主はにこりと笑った。








「ところで、あのフェストゥムはどうするのだ?」

「あー。何だかね、俺一人でここまで来るのは心配だからって、ついて来ちゃったんだー。俺は一人でだって平気なのにー」


ぷくりと頬を膨らませた来主に、フェストゥムにもそんな感情が芽生えたのかと関心する総士だった


「ということで!! みんなは帰ってねーバイバーイ」


しぶしぶといったようにフェストゥムは去っていったのだった。



おしまい




orz
なんかよく分からん物が出来上がってしまった……
続きます


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ