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□春を想う
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主が戻ったこの部屋で、安らぎが訪れる。

重なった掌から感じるのは、確かな存在。
互いを確かめ合うように、しっかりと絡めた指先。

確かにここにいる。

肌蹴られた素肌は、微かに上下して胸の鼓動を打っている。


「総士だ……」


ぴったりと素肌に触れる。
日に当たっていない肌は白くて、滑らか。
引き寄せられるように、舌を這わした。


「そぅし……」


吸い付いて、痕を残す。


「どうしたんだ、一騎」

「だって、きれいだから」


鎖骨を滑って、喉元へ。
首の筋を辿って、顔のライン。


「ここに、いた」


赤い目と、琥珀色の目が重なった。


「なぁ、刻めよ。お前が、ここにいるって」



膝を跨いだ白い足。
記憶の中よりも細くなった腰。

黒い髪が、素肌に掛かる。

薄く開いた唇から覗いた白い歯と、そこからのぞいた赤い舌。


「…いいんだな」

「いいよ、おまえなら」


体重を移動させると、ベッドスプリングが軋んだ。

琥珀の髪が肩から流れて、一騎の顔に掛かった。
薄い胸に指を這わせて、小さな飾りに触れる。

びくりと反応するそれ。
片方には、舌を這わせる。
甘い。
とても甘い果実のように膨らんで、ぷつりと主張する。


「…ッ、あぁ……」


舌で転がして、一騎を見る。
紅葉した頬と潤んだ赤い目が、何かを欲していた。


「一騎」


名前に反応するように、ぴくんと肩が揺れた。
すこしカサついた唇にキスをする。
鼻にかかる息がくすぐったい。
そのまま、手は胸から下へ降りていきわき腹を擽った。

細くなった腰は、日に当たらないためか決めも細かく陶器のようだった。
そこをなでるたびに、びくびくと反応する一騎が面白くて、何度もなでる。

刺激に耐えているのか、閉じられた瞳から涙が零れて頬を伝った。

唇を離すと互いを銀の糸が伝う。


「そ、し……」


一騎を見ると、触れていいない自身が既に反応を示していた。
ぴくん、ぴくんと波打って、静かに涙を流す。


「…かわいいな」


それを掬って、さらに奥へ。
反応したそこに触れられなかったことが、残念だったのか一騎は声を溢した。

固く閉ざされた窄みを開く。
指一本すら拒まれたそこへ、ぷつりと指を刺した。


「イッ!! あ、ああッ!」


潤いの少ないそこは、解れるとは困難で時間を掛けて開いていく。
ゆっくりと、ゆっくりと。


「…ッ、イ、あぁ…」

「つらいなら、やめるぞ」

「い、い…いい、から」


一本、二本と指を増やして、解していく。
そのうち、一騎が反応を示すようになっていく。
三本めが入るようになった頃には、一騎の口からは嬌声が零れる様になっていた。
びくん、びくんと反応を示したそこが、可哀想なほど震えていた。


「このまま、いけそうだな」

「い、あぁ…ん。いやぁ、だぁ…」


ゆるゆると首を振って、琥珀の髪を掬った。


「い、しょ…が、……いいッ!! そぅ、し、とぉ、」


ぎゅっと握って、堪えるように。
その姿に、押さえていた欲望が溢れて押さえられなくなる。
指を引き抜くと、物欲しそうに息づいていた。


「手加減、してやれそうもない」

「いい、よ。もう」


熱く波打ったそれを、押し当てる。
慣らしたはずのそこは、奥への侵入を拒んでいた。
呼吸を合わせるように、息づくそこへ。


「ぁあッ!! あ、いッ……んッ!!」


一気に押し入って、一騎の呼吸が整うのを待った。
限界まで広げたそこが、痛々しい。
足の付け根が、びくびくと痙攣している。


「一騎。平気、か?」

「ん…へ、い、き……」


ゆっくりと腰を進める。
総士の形を覚えたそこが、収縮を繰り返す。


「あ、ああ。んっ、はぁ……」


熱い吐息。
しっとりと熱を帯びた肌がぶつかる。
肌を重ねる。

これほど近くで、互いを感じることが出来るのは初めてだった。


「は、あぁッ、…そ、しぃ…あぁ!!」


早くなる振動に、揺さぶられた黒髪が舞う。
赤い瞳が、さらに濃くなって、溶けてしまいそうな熱を帯びている。
開いた唇からは、引っ切り無しに嬌声が上がり、飲み込めなくなった唾液が零れ落ちた。

乱れる。
乱される。

絡み合った掌が、お互いを話さない様に結びつく。


「も、あっ…あぁ! イ、ちゃ…ッで、る…ぅ」

「かず、きッ!! …ッ!」


塞き止められない熱が、ふるふると流れ出る。
限界に近いそこに、手を這わせて扱いて振動を送る。


「ぁあッ、ああッ……!!」

「ッ!!」


熱が吐き出される、一騎の中へ注がれる。

欲望。
乾きが潤う。

同時に果てて、腹を汚す。
びくん、びくん、と熱が吐き出さる。


「そぉ、し…が、いる」


一騎は、腹に手を当てた。
涙で濡れた目が、微笑んでいた。


「一騎…あり、がと……」


抱きしめて、受け入れてくれたことへの感謝と、待っていてくれたことへの喜びを言葉に。





End


まだ入ったままwww
長い上にオチもなく。
どうやら、一騎に総士の名前を呼ばせることが好きらしいです。

今までの中で一番エロい……といいなーと思って書いたのですがー結果はこの通りw
積極的な一騎さん。
つか、総士よりも一騎のが誘うの多い気がする

さっき書いたのが暗かったからその反動です。
帰ってきた後ぐらいですかね





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