蒼穹

□Kiss me
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それは本当に急なことだった。
ふと、思ってしまったから故の行動。




*Kiss me…





総士の顔は、とても整っている。綺麗と言う言葉が、これほどぴたりと当てはまる人はそうはいないだろう。かといって、女っぽいという訳でもないのが不思議だった。


「総士……」


俺の声に反応して、ソファに座った総士はこちらを向く。綺麗な顔に引き込まれるように、その唇に自分のそれを重ねる。少し驚いた総士の瞳に自分の姿が写った。唇を離すと、すぐに総士の視線は本に戻ってしまう。総士の首筋に腕を回して、本との隙間に入り込む。綺麗な顔は、涼しげに文字を目で追っている。膝を跨いで上を見上げても、総士はこちらを見ようとはしなかった。
本を持つ手は、細く長い。ページを捲るその手を掴んで、爪の先にキスをする。ちらりと視線が重なる。ぱっと目を輝かせると、すぐに視線は本に戻る。少しむくれて、あまり日に焼けていない喉元に唇を寄せる。ちゅっと吸い付いて、今度は首筋に。赤い痕が上手くついて少しだけ満足する。総士にもたれかかって上を見て、頬にもキスをする。


「一騎、おもい」

「……ひどいぞ、総士」


本を奪って、唇を重ねた。舌を伸ばして総士のそれと絡ませる。くちゅり、くちゅりと水音が漏れる。うっすらと目を開けると、近すぎて綺麗な顔はぼやけてしまう。視線に気付いたのか、総士と目が合う。それだけで一気に身体が熱くなる。夢中で唇を重ねていると、するりと総士の手が身体をなぞった。びくりと肩を揺らすと、総士の手が俺の髪に触れる。同じように、総士の長くてサラサラの髪に触れた。指どおりの良い髪を、指先でくるくると回す。少し引っ張ると、同じようにくんと髪が引っ張られた。そのまま唇を離すと、総士との間に唾液の糸が出来た。


「本、返せ」

「やだ」


耳元で囁いて、そのまま耳にキスをした。押し倒されて見下ろされる。


「おまえの所為だ、責任取れ」

「うん」


開かれた胸元に、総士は唇を寄せた。




End


たまには短く。タイトルもストレートに。
9月23日はキスの日らしいです。ということで、構って欲しくてひたすらいろんなところにキスする一騎さんです。裏突入しても良かったんですが、キスの日なので一応キスだけ。
キスの場所によって、意味が違うらしいのでそれを参考にさせて頂きました。ツイッターで流れてきたものなので、本当かどうかは知りませんがね。







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