7thB.V

□まどろみ
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私を呼ぶ声がする。


遠く。

遠くの方で。


……な。


れ……な……



あの日。

すべてが始まった日と同じ。






ゆるゆるとしたまどろみの中、柔らかな布団は覚醒を鈍らせる。

もう少ししたら、きっとフレディかアーウィンが起こしに来る事は分かっていた。
だけど、この温かなぬくもりから出るのはどうして無理。


温かい。

どうしてこんなにも温かいぬくもりに包まれているのだろう。

冥使になった身体は、人間よりも体温が低いはずなのに。



今日は、いつも増して起きたくない。



遠くから、誰かの声がする。
きっと、起きてこない私を呼んでいる声だ。



隣のぬくもりに擦り寄る。

落ち着く。
心がとても落ち着く。


「ん……」



うっすらと、目を開けるとそこにはもう一人の私がいた。
身体を丸めて、安らかに眠っている私はとても気持ち良さそう。

何だか起こしたくない。


隣で身じろいだもう一人の私の頬が、手に当たった。
すぅすぅと気持ち良さそうに寝息を立てている。


すこし冷たい体温は、とても落ち着く。


夢の中で呼びかけていたのは、やっぱりあなただった。


どうしてこの子がいるのか分からないけど。


私と同じ顔をしているのに、とても可愛く見えるもう一人の私。


そっと頬に触れてみる。

今は閉じられている赤い目が開いたら、
今日はどんな日になるのだろう。



でも、今はもう少しこのまま。




一緒に眠りましょう。





end

レナさん分裂!!
どうしても影レナを書きたかったんですが、起きてくれませんでした。

相変わらず、レナオンリーwww





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