7thB.V

□ひかり
1ページ/1ページ





暗闇の中。

明るい光のようなもう一人のわたし。



あの暗い修道院から、わたしは希望を見つけた。




物心ついたときから薄暗いこの屋敷の中にいて、ずっと一人だった。


時々やってくる人が、エサを持ってきてくれたのだがすぐに行ってしまう。



逃げるエサを追って遊んでも、すぐに飽きてしまう。


暗く冷たいこの場所で、ずっとずっと一人きり。




だれか、

だれか、


わたしはここよ。



きづいて、



れ……な……



もう一人のわたし。



さみしい。



くらいよ。



こわいよ。





たすけて。




「れ…なぁ」



あの大きな鳥かごの冷たい床。

身を守るように丸まって、膝を抱く。



さびしいよ。





不意に触れた温かな光。
そっと目を開くと、微笑む私。




「どうしたの?」


ふわふわの髪が揺れる。
やわらかい日差しのような色をした髪。


「こんなところで寝てたら、風邪引くよ」


わたしの髪をなでる。



「れなぁ」

「なぁに?」


手を差し伸べて、抱きついた。


温かいもう一人の私。




もうあの暗闇の中ではなかった。


冷たい床で寝ることもなかった。



「れなぁ、」

「なぁに?」


ふふ、と私が笑う。

わたしは一人じゃない。



赤い目と赤く長い舌。


わたしとおんなじ。



もうさみしくないよ。



「す、き……」

「ふふ。私もよ」



やさしいことばが耳元をくすぐった。






end



影レナが可愛くて仕方がないレナ。
影レナもレナ大好きです





[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ