FF7CC −TEARS OF THE PHONIX

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「それもそうだな」


「なんだ今日はやけに静かじゃないか。雨でも降るか?」


そう言ってわざとらしく天を仰ぐ。


「俺が静かじゃそんなにおかしいか」


「ああ」


「即答かよ…まぁいいさ。
いまはそんな騒ぐ気分じゃねぇんだ。この夕日を見てりゃぁな…」


眺める先にははるか遠くの地平線に沈む夕日、そしてそれに照らされるミッドガル。
いつもはコンクリートと鉄板の色の世界でしかないこの町がまるで豊かな自然を壊して成り立っているということを忘れさせるように茜色に染まっている。
それは何もかもを忘れさせてくれるようだった。



「お前こそらしくねぇじゃねぇか。俺を心配するなんて。何かあったか?」


そう聞くとあいつは目をそらして、さっきまで俺が見ていた景色を眺める。
その横顔は確かに何かに苦しんでいるようだった。


「何もなかった。と言えば嘘になるか、だが、今のお前に何も話す気はない」


「いつもながら突き放してくれるねぇ。
だが、こんなことじゃめげねぇのが俺だって知ってるだろ?

何か悩みでもあるんだったら話せよ。誰かに聞いてもらうだけでも楽になったりするんだぞ」


こんなひねくれた性格だから、俺かアンジールが気にかけてやらないと誰にも声をかけられないような奴だ。
今だって迷惑そうな顔をしている。


「お前に何がわかる…」







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