FF7CC −TEARS OF THE PHONIX

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この時は誰も知るよしもなかった
この後の彼らの辛すぎる運命を

その運命があざ笑うかのように、
ひとりのソルジャーの運命も大きく狂い出す


次の英雄の誕生に向けて



第三話 Asura






ウータイ任務作戦任務当日



「ザックス!」


久々の任務で浮かれる子犬を呼ぶ。


「お前もウータイにかり出されるんだってな。
浮かれすぎてヘマするなよ」


「んなことわかってるって。紅埜はB隊だって?
いいなぁ、セフィロスと組めるなんて。
俺なんていっつもアンジールだぜ」


「まぁ、実力の差だろ」


ザックスの心にぐさっと刺さった一撃だった。


「容赦なく言ってくれるねぇ。
見とけよ〜ぜってぇクラス1stになってお祝いいっぱいもらってやるんだからな!」


「まぁがんばれ」


「くそぅ。その目はぜんぜん信じてねぇだろ。
今に見てろよ〜……」


アンジールがいつものバスターソードを引っさげてやってくる。


「ザックス、準備はできたのか?
剣はどうした。素手で戦うつもりか?」


うぉっ!忘れてたっ!そう言ってかけていく子犬を見送る。


「剣も持たないで何やってんだか。
ほんっとにアイツはあきねぇな」


剣を持たないなんて紅埜ではあり得ないこと。
ましてや今から戦いに出ようというのに何で戦おうというのか。
まぁ紅埜なら一般のウータイ兵ならば素手で倒せるが。
何かと違和感があるものだ。
長年、刀を握ってきた紅埜にとってそれは離すことの出来ない体の一部となっていた。
だから常に腰に刀の重みを感じて生きている。










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