treasure&gift
□Re:life
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「知ってる?人って、三日あれば死んで、また別の人間に生まれ変われるんだって。」
緑だらけの原っぱで、夏樹は言った。
俺は夏樹とでかい樹木がおいてある原っぱにいた。いつも、暇があけば夏樹と必ずと言っていいほどにこの原っぱにくる。
夏樹の虐待の傷は、また増えている。
前ここに来たときよりかなりひどい。
「どういう意味だよ」
俺が夏樹に問い返すと、夏樹は無表情で続けた。
「人間なんてどうせ死ぬんだから……いくら人生が楽であろうと苦であろうと」
「…夏樹…」
「この大きな木も、いつかは朽ち果てるんだもん……ね?」
春の暖かい風は、俺と冬樹のもとまで届かない。届く前に、この場の雰囲気が風を凍りつかせてしまうから。
夏樹はあのどでかい木のふもとで悲しげな笑みを俺に向けた。
「…人間はさ。弱いんだ。…僕も冬樹もね」
「夏樹」
夏樹の言葉を、拒絶したかった。
俺は夏樹に近づいて夏樹にいう。
「さっき、人間は三日あれば死んでまた別の人間に生まれ変われる…とかいったよな」
「うん」
俺は夏樹にさらに続けた。
「ならば、三日あれば未来も、道も見えるんじゃないか…?」
Re:life